「 社会ネットワークのひみつ 」一覧

褒め上手・甘え上手の理由:自己肯定感をめぐる冒険(2)

一般に、自己肯定感がない人のイメージは「引っ込み思案」「内気」といったところになると思います。ですが実際には、内気だけど自己肯定感が十分にある人もいます。また、自己肯定感がなくて積極的、そして攻撃的、という人もいます。

▼前回:
自己肯定感は資本である:自己肯定感をめぐる冒険(1) | Heartlogic

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例えば、やたらと他人と衝突し、相手の失点をあげつらって優位に立ちたがる人。自分を肯定し評価できないぶん、他者を落として安心しようとするのは、自己肯定感がない人の典型的な行動パターンです。積極的そうだから、「リア充」っぽいから自己肯定感がある人だ、という捉え方はできません。 続きを読む


自己肯定感は資本である:自己肯定感をめぐる冒険(1)

ここ何年かこだわってきた「自己肯定感」について、連載コラム風に改めて整理してみたいと思います。

「自己肯定感」とはコミュニケーション術や心理学、育児、教育などの分野で目にする機会の多い言葉です。最近の若い人は自己肯定感が低くて大変だよねー、といった感じで。

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自分を無条件で肯定していいの?

広く共有されている明確な定義はないようですが、ここでは「自己肯定感」を、「何でもない(ありのままの)自分を、何の根拠も必要とせず全面的に肯定できる感覚」であると定義します。

似た言葉に「自信」「自己評価」がありますが、こちらは一般に何かしらの根拠に基づいて自分の価値を認めることだと捉えられるので、ちょっと違います。自己肯定感は自己評価の基本点だと捉えるのが、わかりやすいかもしれません。

この定義に基づいた、Webですぐ読めるリソースとしては、立命館大学教授 高垣忠一郎氏の講義のテキストがあります。人の役に立つ経験などから生まれる自己効力感から来る、機能評価を自己肯定感を呼ぶのでは不十分である。存在そのものが肯定される必要があり、評価が介在するべきではない、と述べられています。 続きを読む


切ると、自滅する:社会ネットワークのひみつ(5)

この文章は、社会的ネットワークと、その中での生き方について、息子(2013年現在、小学校1年生)が小学5、6年生ぐらいになったときに読んでくれる、という想定で書いています。

息子と、これから息子と関係していく方達に、何かの役に立ててもらうことができれば嬉しく思います。


前回「自分には細かく厳しく。周りにはおおらかに優しく」では、つながりを大切にしてやっていくための考え方を書いた。でも実際には、つながりを切りたくなることもある。ケンカをしたときには、勢いでアイツはもう絶交だ! と思うし、どうにもウマが合わない相手だっている。

今回は最終回ということで「切る」ことについて書きたい。

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ネットワークのつながり(リンク)は、ときには切る/切れることもある。機械のネットワークで言えば通信なり電源なりを切ること、人のネットワークでいえば「縁を切る」ことが、それに当たる。これからの時代「リンクを切る」ということについては、ものすごくよく考えて、とことん慎重になるべきだ。 続きを読む


自分には細かく厳しく。周りにはおおらかに優しく:社会ネットワークのひみつ(4)

この文章は、社会的ネットワークと、その中での生き方について、息子(2013年現在、小学校1年生)が小学5、6年生ぐらいになったときに読んでくれる、という想定で書いています。

息子と、これから息子と関係していく方達に、何かの役に立ててもらうことができれば嬉しく思います。


前回「自分の「まともさ」を支える「自己肯定感」」では、社会でやっていくために必要になるものについて書いた。今回は、そこを踏まえて、社会でどのようにやっていこうか、という話になる。

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変化に対応できる強さの原則

「送信するものに関しては厳密に、受信するものに関しては寛容に」という言葉がある。これは、機械のネットワークにおける通信の大原則だ。つまり、自分自身の言動は厳密に律し、ほかの人の言動は寛容に受け止めましょう、ということ。ジョン・ポステルという科学者が提唱したもので、「ロバストネス(変化に対応できる強さの)原則」とも呼ばれる。 続きを読む


自分の「まともさ」を支える「自己肯定感」:社会ネットワークのひみつ(3)

この文章は、社会的ネットワークと、その中での生き方について、息子(2013年現在、小学校1年生)が小学5、6年生ぐらいになったときに読んでくれる、という想定で書いています。

息子と、これから息子と関係していく方達に、何かの役に立ててもらうことができれば嬉しく思います。


前回「水泳好きも、バカも、肥満も「伝染」する」では、ネットワークの中でお互いが影響しあうという話をした。それを踏まえて、ネットワークの中で暮らす私たちにとって、大事なものがあるよ、というのが今回の話となる。

当たり前のことだけど、機械のネットワークは、ネットワークを構成するすべてが「まともに動く」ことを前提に成り立っている。

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例えば、家のルーターが壊れたらインターネットに繋がらなくなってしまうから、修理なり交換なりをしなくてはいけない。ウイルスに感染した端末はまともではないから、ネットワークから遮断しないと、他の端末までウイルスにやられてしまう。ウイルスを駆除し、必要に応じて修理や交換をしないといけない。

人間のネットワークでも、まともじゃない人が周囲にいると、トラブルが起きたり、ものごとが予定どおりに進まなかったりして、おかしくなってしまう。だが、人間のネットワークでは、まともじゃない人がいたとしても、いろいろな事情によって、簡単には排除できない場合が多い。

それに、そもそも「まとも/まともじゃない」とは何なんだ? と考えだすと、なかなか難しい問題になる。 続きを読む


水泳好きも、バカも、肥満も「伝染」する:社会ネットワークのひみつ(2)

この文章は、社会的ネットワークと、その中での生き方について、息子(2013年現在、小学校1年生)が小学5、6年生ぐらいになったときに読んでくれる、という想定で書いています。

息子と、これから息子と関係していく方達に、何かの役に立ててもらうことができれば嬉しく思います。


前回「地球は丸かったし、世界はネットワークだった」では、前回は「社会(人間のネットワーク)はインターネット(機械のネットワーク)と似ている」という話をした。では、そこでどういうことが起きるのか? が今回の話。

ネットワークでは、自分が周囲に、また周囲が自分にと相互に影響し合い、お互いが変化していく。

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例えばインターネットでは、どのコンピューターと接続しどんな情報をやりとりするかによって、自分の端末でできることが変わる。ゲームアプリを立ち上げてネット対戦を始めれば対戦を楽しむことができる。もしもウイルスが送られてきてしまったら、端末が壊れるかもしれない。周囲の影響で、楽しいことも悲惨なことも起こる。

人間のネットワークでも同じようなことが起きる。例えば、小学1年生の君はサッカーが好きだ。幼稚園のときからサッカー教室に入っていたし、小学校に上がってからは、少々レベルが高い(と思われる)新しいサッカー教室に入った。

関心がないとリンクせず、影響は薄くなる

幼稚園のときの君は、特に上手な子を「自分とは異次元の存在だ」という感じで見ていたんじゃないかと思う。つまり、あのレベルに自分が行く必要はないという感じで、ある意味で関心が切れてしまっていた。しかし、新しい教室ではみんな上手だから、自分もそのレベルを目指さないと! と気持ちが変わったんじゃないかな。 続きを読む


地球は丸かったし、世界はネットワークだった:社会ネットワークのひみつ(1)

この文章は、社会的ネットワークと、その中での生き方について、息子(2013年現在、小学校1年生)が小学5、6年生ぐらいになったときに読んでくれる、という想定で書いています。

息子と、これから息子と関係していく方達に、何かの役に立ててもらうことができれば嬉しく思います。


Cut3

見えない「つながり」を想像してみよう

これから「世界をどう見るか?」という話を、したいと思う。

ずっと昔、世界はゾウやカメの背中に乗っていると考えていた人たちがいたらしい。だけど、今そんなふうに考えている人は、おそらくいない。もう少し進んだ時代では、世界は平らで、端から海の水がこぼれていると考えられていたそうだけど、今では「地球」という天体であるとされている。太陽が地球の周りを回っている(天動説)というのは勘違いで、本当は地球が太陽の周りを回っていた(地動説)。

これから話したいのは、そうした世界の見方の、いちばん新しいやつについてだ(なお「世界」の意味はちょっと変わって、地理的な意味での世界ではなく、世界中に暮らす人間の社会という意味での「世界」のことになる)。

私たちの社会は「ネットワーク」である、という発見がある。ネットワークといえば、インターネットがイメージしやすい。教科書に、世界中のパソコンやスマートフォンが通信回線でつながっているインターネットの絵が載ったりしているだろうか。

パソコンやスマートフォン、ゲーム機などの多くは、Wi−Fiでインターネットに繋がっている。目には見えないけれど、ネットワークでほかの機器と繋がって、ネットワークの中にある。

人間も同じだ。目には見えないけれど、私たちはみんな、家族や友達などと、つながり(関係)がある。なんなら、君の頭のあたりから何かヒモ状のものが伸びて、周りの人たちとつながっている様子を想像してみると、人間の社会ネットワークのイメージができあがる。 続きを読む