【今日の表紙買い】だがしかし(1) きな粉やアイスの汁にやられるヒロインを観察するマンガ

だがしかし。駄菓子菓子——。誰もが一度は口にしたことがあるだろう駄洒落(駄洒落か?)を堂々とタイトルに付けた胆力に押され、手にとってみた。

20151023-01-dagashi-kashi

ふーん、で一度棚に戻したが、「ベタな駄洒落にあえて挑んだ作品をふーんで済ませたヤツ」になってはイカンのではないか? と思って購入。うまい棒のアイツのオビが巻かれているのも気になった。

何となく面白い。つまらなくはない。でも、よくわからない。駄菓子の蘊蓄が飛び出すのがウリのひとつなんだろうけど、その蘊蓄がWikipediaレベルというか、どこかで見たことがある、実際ググれば出てくる内容なので、どうも盛り上がりに欠ける。

とはいえ、考えてみれば駄菓子の情報などすでにネットにネタが上がりまくっているうえに新ネタが次々生まれるわけでもないし、しかたがないところか。メーカーに取材しても今以上の情報はないのかもしれないし。

では何が引っかかって面白いんだろう? 駄菓子といえば小学生向けのイメージだが、15歳男子を主人公に、ちょっと年上設定のヒロインとのドキドキする関係、というところが本作のスパイスになっている。決して読んでいて「駄菓子を食べたくなる」感じではない。水着などがちょいちょい出てくるが、そういうストレートなお色気シーンは刺身のツマ程度の扱いでしかない。しかし、駄菓子を食べるシーンの描写には、フェティッシュな情熱がたっぷりと注ぎ込まれているのを感じる。

たぶん本作は、駄菓子そのものよりも「思春期の女の子が夢中になって駄菓子を食べる仕草」を観察するためのマンガなのだ。

考えてみれば「きな粉でブラウスの胸元を汚したり、口の周りをスナック菓子の粉だらけにしたりしながら微笑む年上のお姉さん」にお目にかかるなど少年時代を通り過ぎてしまった者にはまず無理で(そして小学生ぐらいにはその価値を理解できず……いや、大人になったら価値を感じるのかどうかもよくわからなくなってきたが)、まさにマンガでないとできないことなのではなかろうか。なんとニッチなところを突く作品なんだろう。