ママたちの共通言語としての「妖怪ウォッチ」

想像してみてください。ドラクエVで、フローラとは普通に結婚できるけど、ビアンカと結婚したければ映画の前売り券を買え、しかも先着50万名限定だ、と言われたら、どう感じるかを……。

「妖怪ウォッチ」は今年1月のアニメ開始からブレイクし、あらゆるグッズがビックリするほどの品薄になりました。そのため、わが子にグッズを買ってあげようとするママたちのネットワークで、どこにグッズが入荷したとか、まとめ買いして分けようとかいった情報が共有されるようになります。わが家でも、そんなママ友ネットワークの情報がしばしば行き交っているようです。

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こうなると、妖怪ウォッチは子供の間だけでなく、ママたちの共通言語にもなってきます。妖怪ウォッチグッズの情報が高い価値を持ち、コミュニケーションのきっかけにもなる。すでに年度をまたいでいますから、妖怪ウォッチが新しいママ友との会話のきっかけになった、というケースもあるのではないでしょうか。

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3月、4月ごろまではお弁当箱や文房具、ぬいぐるみなども品薄でしたが、5月ぐらいからは、そうしたグッズは普通に買えるようになりました。ですが、妖怪メダルやDX妖怪ウォッチなどは、今でも品薄のようです。この前偶然見つけた妖怪メダル付きの食玩を検索してみたら、Amazonで大変なことになっていたり……。

少し前には、近所のスーパーで新しい妖怪メダルが発売になる(だが抽選!)と聞いて、妻と息子が抽選券を貰うため並びに行っていました。結局全部はずれたのですが、多く買えたママ友から分けてもらえたそうで、こういう融通しあいも、しばしばあるようです。

これくらいグッズの希少価値があると、本当に必要なのかどうか、うちの子が欲しがっているかどうかという検討の段階をスキップして、投資感覚で「とにかく買えるときに買っておこう」と考える人も出てくるようです。それはさらに品薄を加速し、ヤフオク転売目的のナニを増やし……となっていくわけですが。

そんなこんなで先日、12月公開の「映画『妖怪ウォッチ』誕生の秘密だニャン」の前売り券が発売になりました。

発売開始は偶然にもポケモン映画の公開初日と同じ7月19日で、朝の6時だか6時半だかの解禁だったそうで、その時間に前売り券を買いに並んだら、疲れてポケモン映画は観られないんじゃないの? という感じがしなくもありません。

そして、前売り券の特典がえげつない。7月の10日に発売になったゲーム「妖怪ウォッチ2」の新キャラであり、ストーリー上で非常に重要な役割を果たす「フユニャン」を仲間(友達)にできる妖怪メダルが、50万名限定で付くというものでした。

※補足:ゲーム中でフユニャンを仲間にするだけなら妖怪メダルのQRコードを読み取ればよく、1つのメダルで複数のセーブデータに利用可能。WebでQRコードを公開している人もいるらしいです

フユニャンがどれだけ重要か、簡単に説明しましょう。

「妖怪ウォッチ2」では、主人公がタイムスリップして、主人公のおじいさん(の少年のころ)と出会います。

このとき、主人公のパートナーが前作から引き続き登場する赤猫のジバニャンであるのに対し、おじいさんのパートナーであり、いささか屈折しているおじいさんと主人公との橋渡しをしてストーリーを牽引するのが、青猫のフユニャンです(ちなみにジバニャンは地縛霊、フユニャンは浮遊霊らしい)。

息子はずっと、ストーリーをプレイしながら「いつになったらフユニャンを仲間にできるの〜?」と言っていました。確かに、そう思うくらい魅力的なキャラクターとして描かれています。

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それが、映画の前売り券の特典でしか仲間にできないってどうなの? しかも、ゲームソフトは100万本以上売れているのに50万しか出さないって、なんなの?

という絶望を、アラフォー世代に向けて例えるならば、冒頭のフローラとビアンカ(お好みで入れ替え可)の話がわかりやすいのではないかと思うのです。実際、コロコロコミックの表紙をでーんと飾るようなキャラなんですけども、手に入らなかった子たちは、この表紙を見てどう思うんでしょうか。

もしかすると、本来は仲間にできないキャラクターで、50万名分だけの特別サービスだ! というロジックがあるのかもしれませんが……。

わが家では早朝から前売り券に並んだうえに初日にポケモン映画を観たので、たまに理不尽な苦行に挑むのも謎の達成感がある、といった感じも、わからんでもありません。

それにしても、こういうやり方は結局のところ、ファンのコミュニティを分断し、商品の寿命を縮めることになると思うんですよね。

主人公のおじいさんは妖怪ウォッチの初期型の開発者という設定ですし、当然ながら映画にも出てくるのでしょう。もちろんフユニャンも活躍するでしょう。そのとき、フユニャンを手に入れ損ねて悲しい思いをした子供たちは、どういう気持ちでスクリーンを(以下同文)。

徳力さんも、いつにない調子で嘆いています。

ここまで来ると社会現象なのは間違いないとして、社会問題に発展しかねない危うさをちょっぴり感じます。
妖怪ウォッチの行列騒動が凄すぎて、妖怪ウォッチが社会問題として取り上げられるのも時間の問題な気がするのは、私だけでしょうか。

わが家でゲットしたフユニャンの1匹は、直前でなくなってフユニャンを買い損ねたという、息子のお友達のところに行きました。

そして妖怪ウォッチを2から始めた私は、コマさんが2単体では手に入らないらしい(前作と連携したイベントで入手可)ことを嘆いています。

妖怪ウォッチ 05 コマさん
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