都内最強のプラネタリウムがお花茶屋にあった! 「葛飾区郷土と天文の博物館」

プラネタリウムにもいろいろありますが、勉強になるのはもちろんエンターテインメント性、芸術性にも優れ、大人も子供も楽しめて、デートにも親子連れにも向く、1人で行ってもきっとイイ、という総合力において「葛飾区郷土と天文の博物館」のプラネタリウムは、これまでに行った中で“最強”という感じでした。

ついでに料金も安く、交通の便もそこそこ。しかも、ゴールデンウィーク中にもかかわらず、まるで混雑していませんでした。完璧です。

葛飾区郷土と天文の博物館|Katsushika City Museum

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場所は、京成本線「お花茶屋」駅から徒歩8分ほど。「このへんでいいのか?」と不安になるほど、どこにでもありそうな住宅街を「本当にこっちでいいのか……?」とちょっと不安になるくらい歩いたところにあります。

目印はプラネタリウムの丸い屋根ですが、入り口は役所めいた感じで、ちょっと驚くかもしれません(道中から入館まで、息子に何度も「本当にこっちで/ここでいいの?」と聞かれました)。

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外には水田が。

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中は広く、開放感があります。昨年の10月から先月まで改修工事をしていて、噂は聞いていても行けなかったのですが、改修されて設備もいろいろと充実したそうです。

葛飾区と宇宙

「郷土と天文の博物館」とあるように、館内の展示は葛飾区の郷土史に関するもの(2階)と、天文学や宇宙に関するもの(3階)に別れています。正直なところ、なぜ葛飾と宇宙がセットになっているのかよくわかりませんが、郷土資料館と宇宙について学ぶ教育施設の必要性がそれぞれ高まった中で、一緒に建てました、という感じなのでしょうか。サイトの紹介文を読むに。

郷土資料館的な施設にはよく足を運ぶのですが、郷土史の展示って、小さい子供にはあんまり刺さらないんですよね。そのため近年は足が遠のき気味でした。こちらも意外と郷土史展示が多かったので、息子は飽きてしまうかなあとちょっと思ったのですが……、

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当時の映像が流れるキャサリン(カスリーン)台風に関する展示の迫力に釘付けになり、

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昔のおもちゃの体験コーナーで、プラネタリウムに行きそびれるのではないかという勢いで遊んでいました。すごいな葛飾区。

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昭和の町並み的展示はほかでもときどき見ますが、キャサリン台風の映像からの流れで来ると、ものすごいリアリティを感じてしまいます。

▼キャサリン台風については、こちらなどが詳しいです。
カスリーン台風60年企画展 東京を襲った利根川の洪水 独立行政法人 防災科学技術研究所

大胆な映像とクラシック音楽で、大人も子供も惹きつけるプラネタリウム

さて、プラネタリウムです。こちらのプラネタリウムの番組の多くは「大人向け」で、チケット売り場での番組案内にも「大人向けのプログラムです」と書かれています。とはいえ、子供が見ていて退屈だとか、高度すぎて理解できないとか、そういうことはありません。

ただ、漢字にルビが振られていないので、読めないこともあるかもしれませんが……けっこうな大音量で音楽が流れていますし、耳打ちして読んであげるくらいは大丈夫なんじゃないでしょうか(もちろん、本来だと上映中の私語はいけませんが)。

「葛飾区郷土と天文の博物館」では数多くのオリジナルの番組を制作しており、その中でも目玉となるのは「シンフォニー・オブ・ユニバース」シリーズのようです。

これは、名前から察せられるとおり、宇宙の映像とクラシック音楽(交響曲に限らず)とを組み合わせた番組です。私が行ったときには、「シンフォニー・オブ・ユニバース 第6番」を観ることができました。説明のBGMとしてではなく、宇宙の映像+クラシックの音楽のデモンストレーションのパートがあり、説明のパートもあり、という構成です。

映像は後述するように本館自慢の、他ではなかなか見られないものです。葛飾区の夜空から大気圏外、月の裏側、銀河のどこか、と大胆に切り替わる迫力ある映像にクラシックの名曲を次々とかぶせる贅沢なアートのコラボには、感動するなという方が無理なのではないかという、圧倒的な強さを感じました。

銀河の星々の映像をプラネタリウムで観ながらシベリウスを聴くとか、なんという贅沢でしょうか。それが大人350円、子供100円(入館料は100円、50円)とか、お得すぎでしょう。ゴールデンウィークにラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンもいいけど葛飾のプラネタリウムもね! という感じです。

プラネタリウムについては、サイトに、独自番組を作り続けて『緻密なプログラムから創り出される映像と音の世界は、すでに国内他館の追従を許さない水準に達しています。』など、驚くほどのテキスト量で詳しく書かれているので、見てみてください。

葛飾区郷土と天文の博物館|プラネタリウム
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実際に宇宙を飛び回っているような迫力のある映像は「デジタルプラネタリウム」と全宇宙の三次元デジタル地図だという「デジタルユニバース」、そして独自に蓄積したデータと技術のたまものでしょうか。素人には、どこから驚けばいいのかよくわからないレベルです。

さらに、ナレーション(当然ながら生のはず)も、ものすごくよかった。回によって変わるのかもしれませんが、私が行ったときの女性のナレーションは、昼下がりの上品なFMラジオのような、落ち着いたトーンでありながら軽やかなリズムで、少しずつ心がふわっと躍るような、パーフェクトなトークでした。

ここまで素晴らしいと考えてしまうのが、「今夜の東京上空の空」を見せてもらっても、東京ではそれを実際に見るのが困難なんだよなあ……という点です。海のあたりや河原のあたりに行けば、わりと見られるでしょうか。

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ほかの天文関係の展示も、太陽顕微鏡や惑星の動きの展示、ガリレオ式やニュートン式の天体望遠鏡など、ほかでは見たことのないものが多くありました。上の写真はティコ・ブラーエの「大アーミラリー」(望遠鏡の発明以前に使われていた天体観測施設だとのこと)のレプリカです。

「郷土と天文の博物館」というと、何となく「1館分の予算で2つのテーマの展示を作りました」という想像をしがちですが、ここの展示はそういう小さなイメージに留まるものではありません。

規模的には決して大きくありませんが、どちらの展示も非常にクオリティが高く、葛飾区の展示の中でもキャサリン台風や昭和の風俗など、わりと普遍性のあるテーマが扱われているのも魅力だと思います。

なお、留守番していた妻に「寅さんの展示はなかったの?」と聞かれましたが、寅さん成分や両さん成分はゼロでした。