正解がない問いにどう答える? 「こころのふしぎ なぜ? どうして?」書評

最近、あちこちの書店で平積みにされているので、気になって買ってみました。「さんすうのふしぎ」「かがくのふしぎ」など、多くのシリーズがある児童向け「マンガで解説」的なシリーズです。

こころのふしぎ なぜ?どうして? (楽しく学べるシリーズ)
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算数や科学と違って、こころの問題には単一の「正解」が存在しない問いが多くなるはずですが、そこに、どのような回答が示されるのでしょうか?

本書は大きく「心のふしぎ」「いのちのふしぎ」「かぞく・友だちのふしぎ」「ルールのふしぎ」の4章に分かわれていて、子供が発しそうな疑問に絵ときで回答していく形となっています。

そして、章立てから想像できるように、人間の心の奥を探る生理心理学的な内容よりも、社会心理学的な内容が濃くなっています。

最初の問いは「心って、どこにあるの?」。その後には例えば「おばけは、どうしてこわいの?」「かぜで学校を休むと、ちょっとワクワクするのはどうして?」「楽しいことだけずーっとしていたいんだけど、いい?」といったものが続きます。

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さらには、本書のオビにもある「『ごめんね』が、うまく言えない」や「いじめられたら、どうしたらいい?」、さらには「人は、どうして人をころすの?」「お母さんの作るごはんは、なんでおいしいの?」なんてものも。

そこに提示されている回答には、大人の目から見て納得できるものもあれば、そうかなぁ〜? と思うものもあると感じられると思います。

私としては「『ごめんね』が、うまく言えない」への回答にはとても納得感があった一方で、「いじめられたら、どうしたらいい?」への回答は、それで済めば苦労しないわね……というものでした。が、どちらにしても、なかなか答えにくい質問に対し、正面から受け止めた形で答えが示されているのはいいなと思いました。

本書で提示される答えは、教科書的・模範解答的であり、必ずしも読む子供ひとりひとりの事情は斟酌してくれません。おばけが怖い理由、いじめられている原因は人それぞれでしょうし、お母さんがごはんを作ってくれない家庭もあるでしょう。

そういう意味で、内容を鵜呑みにせず、自分は違う意見を持ってもいいし、本に書いてあった通りにやってうまくいかなくても失望しないでいい、といったことを最初に念押しした方がいいのかもしれません。

一方で、質問されて答える立場としては、「この本ではこう言っているので〜/こう言っているが〜」というところから話を始められるのは、親の説明のためにも、子供の理解のためにもよさそうです。

親子2者だけの対話では、なかなか突飛なことも言いにくいし、回りくどい説明は理解が難しいかもしれません。しかし、本書が議論のベースと「教科書的な答え」を提示してくれることで、子供の感じている疑問、本書の答え、親の見解をうまく整理しつつ相対化して会話ができそうです。

1見開き、中身を紹介しましょう。この答え方は好きだなあ。
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わが家では最近、こうした質問を受ける機会は多くありませんが、年頃を考えると、今のうちにこういう話をもっとしておいた方がいいのではないか、とも思いました。

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ところで、102ページの「ぼんやりしているお父さんにも『いそがしい』って言われた…」の回答には、ちょっと苦笑してしまいました。確かにそういうときもあるけれど、単にめんどくさいので「いそがしい」でごまかすときもある……というところは、もっと年上の子向けの本の領域でしょうか。小説とか。

こころのふしぎ なぜ?どうして? (楽しく学べるシリーズ)
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