ソチ五輪、浅田真央選手とラフマニノフの失意と復活

ソチ五輪でフィギュアスケートの浅田真央選手が、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番(第1楽章)を使っていました。この曲は、ラフマニノフ代表作の1つであり、開催国であるロシアのクラシック作曲家が書いた曲の中でも、おそらくは有数の人気を誇る曲ですね。

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曲は重々しく響く和音と憂鬱そうなメロディから始まり、凍りつくロシアの森を走り抜けるかのような緊張感を持ちながら徐々にテンポを上げていきます。そして、ピアノの音が輝かしく鳴り響く壮大なクライマックスを迎え、たたみかけるように第一楽章を終えます。

ラフマニノフは、1897年(当時24歳)に初演した交響曲第1番を酷評され(初演の指揮者が失敗をしたためとする説もあり)、失意のあまり精神を病んでしまいます。しかし、治療と励ましを受けながら新しい曲を作り、4年後の1901年に、このピアノ協奏曲第2番を発表して復活を遂げます。

浅田真央選手の演技をライブ中継で見ていて、こうした曲の背景にあるドラマが、前日のショートプログラムで不本意な結果に終わった浅田選手の失意と、そこからの開放というイメージと重なって見え、神の采配とはこういうものかという驚きがありました。

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ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番は、フィギュアスケートで使われる曲としては「定番」の1つとされているそうです。浅田選手がどのような理由でこの曲を選んだののかはよく知りませんが、8年前のトリノ五輪では、村主章枝選手が使っています。

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また、1992年のアルベールビル五輪では、伊藤みどり選手が、ラフマニノフのピアノ協奏曲第1番〜第2番のメドレーで、女子選手として初めてトリプルアクセルを跳び、銀メダルを獲得していたそうです。

当時、伊藤さんは不調であり、演技の前半で1回トリプルアクセルを失敗していて、最後に再度トリプルアクセルにチャレンジし、成功したことは、伝説的な出来事となっているそうで、この伊藤さんへのオマージュ的な意味合いもあっての選曲では、という指摘をしている記事も目にしました。

浅田選手の使用した演奏は、ベレゾフスキーのピアノによるものだという説が有力なようです。

ラフマニノフ : ピアノ協奏曲 第2番 | 第3番 (Rachmaninov : Concertos pour piano 2 & 3 / Boris Berezovsky (piano), Dmitri Liss (direction), Orchestre Philharmonique de l’oural) [輸入盤・日本語解説書付]
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この演奏は聴いたことがありませんが、わりと淡泊であるという評価が多いようです。個人的には、ラン・ランの重〜いピアノによる演奏が好きです。

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番&パガニ-ニ狂詩曲
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Amazonの情報によると、こちらのCDにラン・ランのピアノによるラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番第1楽章が収録されているようです。

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