下田港


旅費のなくなった僕は、今日東京に帰るしかなかった。
みんな昨晩遅くまで仕事をして起きられないそうで、一行の男だけが見送りに来てくれた。

港に行くと、そこには踊り子がうずくまっていた。他の一行はまだ寝ているという。踊り子だけが見送りに来てくれたのだった。
""
ξ*゚ペ、)ξ……
""僕がいろいろ話しかけてみても、踊り子は一言もしゃべらなかった。

船に乗り込む前に振り返ったとき、
""
ξ*゚△゚、)ξ<あっ……
""踊り子は何か言いかけたが、それもやめて、ただうなずいてみせた。

船に揺られて大島を眺めていると、自然に涙が出た。
乗り合わせた老婆の面倒を見、話しかけてきた少年と共に寝ながら、僕はただ素直に涙を流していた。何か甘い気持ちの中で、何もかもが水になって流れていくように思えた。



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