Googleが発表した「Chromebook」、パソコンとしては特に魅力を感じないけど……?  

Googleの開発者向けイベント「Google I/O」で、以前から出る出ると言われていたChrome OS搭載パソコンが「Chromebook」として発表になりました。

米Googleは11日(現地時間)、Chrome OSを搭載したノートPC「Chromebook」がAcerおよびSamsungから今夏発売されると発表した。
Chrome OSは、GoogleのWebブラウザであるChromeを核としたOS。当然そのサイズもコンパクトであるため、電源を入れて8秒で起動する。また、OSは自動更新され、随時より高速化されるという。
【PC Watch】 ブラウザベースのノートPC「Chromebook」がAcerとSamsungから登場

ごく単純にノートパソコンとして見ると、特段に薄くも軽くも安くも長時間駆動でも、また安いわけでもカッコよくもないようなので、さほど魅力的なマシンだとは思えません。しかし、ChromebookのキモはChrome OSであり、出たばかりのAndroidスマートフォンがたいして魅力的ではなかったように、今のChromebookがどうってことなくても、今後成長してえらいことになっていく可能性は考えられます。

「Webブラウザを動かす」だけのOSを出す一方で、Webベースのサービスを拡充するGoogle

まだ細かく情報を見られていないのですが、スマートフォンから各種組み込みデバイスまでに対応した汎用モバイルOSであるAndroidに対し、Chrome OSは「とにかくChromeを動かす」ことに集中していて、よりシンプルに、軽量に、セキュアに作れると思われます。そして従来のシンクライアント以上に、そこそこのネットワーク環境で、かなりのパフォーマンスが出せるようになるのではないかと想像します。

で、一方でGoogleは、GmailやらGoogle Docsやらのビジネス向けサービスに加え、「Googleエディション(電子書籍)」やら「Music Beta by Google(音楽)」やらのコンテンツサービスも整備中です。「Chromeが動くだけ」のChrome OS環境で、できることがどんどん増えつつあるわけですね。

グーグルはGoogleエディションの特徴として、(1)同社Webサイトでの閲覧を基本とすることで、特定の端末に依存せず閲覧可能にする、(2)Google自社サイトに加え、国内のオンライン書店サイトがそれぞれ設定した価格でGoogleエディションの電子書籍を販売できるようにする――を挙げる。
グーグルも電子書籍参入へ、2011年初めに国内でサービス開始 オンライン書店による販売も計画、「価格は各サイトが個別に決定」 :日本経済新聞

 

Music Beta by Google」は、ユーザーが所有する音楽ファイルをクラウド上のストレージにアップロードし、PCやAndroid端末で再生できるサービス。
Google、クラウド型音楽ストレージサービス「Music Beta by Google」を発表 -INTERNET Watch

ちなみに、Chrome Web Storeの強化も発表になっています。

米GoogleがWebアプリストア「Chrome Web Store」にアプリ内課金を用意した。開発者カンファレンスGoogle I/Oでプレビューを披露し、アプリ内課金における同社の取り分を5%に抑えたと発表すると会場から大きな拍手がわき起こった。
Chrome Web Storeにアプリ内課金、なんと95%が開発者の取り分 | ネット | マイコミジャーナル

さらにChrome OSの強化も発表に。

Chrome OSの新展開として、ファイルマネージャも新機能として発表された。これは同OSが2010年冬にノートPC「Cr-48」に搭載されて初めて登場した際にとりわけ目についた、ローカルファイルをブラウズする手段がないという問題に対処するものだ。
「Chrome OS」刷新、オフライン機能を提供へ--ファイルマネージャも搭載 - CNET Japan

仮想化で他のOSのソフトを動かすとかいう話まで。

さらに、ChromebookではWindowsやMac OSのアプリケーションを動作させることはできないが、仮想化技術を利用する「回避」方法も開発中だ。
Google、Chrome OS搭載PC「Chromebook」を6月15日発売~まずは欧米7カ国で -INTERNET Watch

従来の「パソコン」と同じ位置のものだと考える必要はない

ところで、パソコンはそれなりに高いものであり、家で「パソコンを買う」ということは、多くの人にとってちょっとした盛りあがるイベントでもあるはずです。Chromeが当初対抗を考えていたと思われるネットブックは、物珍しさがあった頃こそ歓迎されたものの、その後は、安いのはいいけどモノも安っぽい点や、そもそもの実力不足もあって飽きられました。

一方でiPadの登場によって、Chrome OSの構想当時にはGoogleの中の人も予想してなかったのではないかと思うほど、タブレット端末がもてはやさだしました。従来のパソコンのような位置づけで個人市場に入っていくには、Chromebookはデバイスとしては目新しさにかけ、安さで勝負しきれるものでもないように思います。

一方で、シンプルで、必要なことは一通りできて余計なことは一切できない、しかもメンテナンスの用意な端末は企業では歓迎されるはずで、このあたりでの商機はありそうです。

また、企業・教育機関向けのサポート付きパッケージも用意。1ユーザー当たりの月額費用は、企業向けが28ドルから、教育機関向けが20ドルからとなっており、ウェブベースの管理コンソールや年中無休の24時間サポートが提供される。
Google、Chrome OS搭載PC「Chromebook」を6月15日発売~まずは欧米7カ国で -INTERNET Watch

サービスの利用料金に+αして端末をレンタルするような形で、現状のGoogle Appsの販売代理店を使えば、企業への売り込みはうまくできそうです。問題はGoogleドキュメントの機能がMicrosoft Officeと比べてまだまだ弱いというあたりかもしれませんが……。コンテンツが充実すれば、教育機関が生徒向けに導入することも十分あり得ると思います。「電子書籍が読めてメールができればいい」とか目的が明確な人にもいいでしょう。

最初は「米国、英国、フランス、ドイツ、オランダ、イタリア、スペインで6月15日より発売」とのことで、日本を外した意図がよくわかりませんが(GoogleはAndroidもGoogle TVも最初の製品を日本では出していないので、震災の影響というよりは、単に会社の事情かと)、Google電子書籍や音楽配信サービスが日本でも本格的に展開される頃には、国内発売になるのではないかと思います。しかし、そこまで待つとすると半年よりも先かも、という気がしてきましたが……。

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