横浜美術館「ドガ展」。「現代生活の古典画家」が捉えた19世紀フランスの一瞬
12月31日まで、横浜美術館で「ドガ展」を行っています。ポスターにも使われている今回の目玉「エトワール」は、Mac OS X 10.6 Snow Leopardの壁紙としてもおなじみです。
エドガー・ドガについては「印象派の画家のひとり」程度の知識しか持っていませんでした。印象派の画家といえばルノワールも好きで作品展の情報を仕入れたら足を運ぶようにしているのですが、鮮やかで豪奢で、どこか享楽的なイメージもあるルノワールとは対照的に、ドガの作品は白と黒のコントラストを基調とし、シンプルでストイックな感じがして、強く惹かれるものがありました。
そんなわけで、9月から開催されていた今回のドガ展には、必ず行かねば! と思っていました。
展示作品では、1枚の完成画の隣にその作品中の人物の習作が数枚、というパターンがいくつかあるのが特徴的です。ドガは現場で写生するのでなく、人物ごとのデッサンをアトリエで組み合わせて一枚の絵として仕上げることが多かったのだそうで、これは、Photoshop的感覚でいえばレイヤーをばらして見るような感じで、面白いです。自分で絵を描く人にはたまらないのではないかと思います。
ドガとドガ展の見所について、こんな記事がありました。というか、これを読んでから行けばよかった。
ドガは印象派の画家とカテゴライズされることが多いものの、新古典主義の画家アングルを尊敬し、線画によるデッサンに力を入れ、軸足としては新古典主義にあったとのこと。そのデッサン力で、一連の有名な踊り子の絵においては踊り子たちの一瞬の動きを捉え、自らを「現代生活の古典画家」と位置づけてパリの日常を描いた絵では、人々のなにげない、リアルな瞬間を描いています。
上記の記事で、オルセー美術館の学芸員であるフィリップ・ソニエ氏は、次のように語っています。
ポスターにも使われている《エトワール》という作品ですが、この作品は確かに魅力的です。素晴らしい作品で、軽やかさがあります。しかし、<踊り>という主題に騙されてはいけません。軽やかさや柔らかさは、簡単なものではないのです。皆さまはもうご存じかと思いますが、軽やかさというのは、一所懸命に訓練して、練習することによって得られるものなのです。これがドガに関して重要かつ忘れられがちなポイントです。ドガがダンスに興味を持ったのは、ダンスとドガの作品にひとつの共通点があるからなのです。それは、<毎日、研鑽を積む>ということです。
21年ぶりの大回顧展@横浜美術館 ドガ展
記事の次のセクションでは、ドガの持つ強い探求心と、空想のものよりも現実のものに興味を持ったということが語られます。気の遠くなるほど積み重ねた中からのリアルな一瞬を捉え、作品として焼き付けることを考えていたのだと思います。
ドガの絵は、どれも「決め」のポーズを捉えたものではないそうです。しかし、どの瞬間よりも「らしい」一瞬、「決め」に至る躍動を感じさせる一瞬を描いているそうです。……という予備知識を得たところで、もう1回行きたくなってきました。
なお、横浜美術館では、ドガ展(1500円)+お隣の横浜ランドマークタワー69階スカイガーデン(1000円)+スカイガーデンでの1ドリンク(500円前後〜)がセットになった、お得なチケットも販売しています。この時期だと16時〜17時にかけて日の入りとなり、こちらの景色もたいへんな眼福なりにけりですよ。
- 2010.12.10
- [学び・育児]
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