mixiオープン化が、ユーザーのネット体験をどう変える?  

ミクシィは「mixi meetup 2010」にてmixiのオープン化施策を発表。はてな、モバゲーなど競合(と目されることの多かった)サイト含め30社約50サイトとの連携がすでに行われているとのことです。

ネットが登場して20年。これまではサーバとサーバがつながっていた。今後は人と人がつながり、感情を流通させるソーシャルネットワークが拡大していく」――ミクシィの笠原健治社長は、mixiがソーシャルネットワークサービス(SNS)から「ソーシャルグラフプロバイダー」(SGP)に変わると話した。
mixi meetup 2010:モバゲーも家電もmixiにつながる 「Webをソーシャライズ」宣言 - ITmedia News

要するに、mixiはプラットフォーマーとなり、とりあえずmixiのソーシャルグラフを外部50サイトに持ち出せるようにしましたと。そして連携するサイトは今後も増えますということですね。

さらに紹介されただけで会場に「ざわ......ざわ......」という反響を呼んだDeNA守安取締役からは「我々はバーチャルグラフなので、ソーシャルグラフはミクシィに任せる」というこの日一番の爆弾発言も飛び出しました。
ミクシィとグリー、ソーシャルフィード機能を同日発表

mixiのソーシャルグラフは、リアルな人間関係をベースにしている、と特徴づけられることになるようです。そうえば「mixi同級生」や「同僚ネットワーク」なんてのもあります(…とTwitterで教えていただきました)。

mixiのソーシャルグラフって何なの?

これは面白そう、とも思うのですが、気になるのは「mixiのソーシャルグラフって、そんなに汎用性の高いものになっているの?」という点です。

このオープン化(外部提携強化?)施策は、mixiの収益最大化、言い方を変えれば利用機会の最大化に繋がるものです。が、一方でユーザーのほうを向いた施策だという印象は、あまりありません。

私自身がまるでアクティブでないユーザーなので実感として語れる部分が少ないのですが、mixiのソーシャルグラフは、あくまでSNSのmixiという閉じた空間における繋がりだ、という認識をしています。それが、急にオープン化するというのは、何というのかな、たまに立ち寄ってお茶を飲むだけだった喫茶店の常連に「今度キャンプ行かない?」と誘われるみたいな、えっ、あなたたちとソレもするの? みたいな……。急に「マイミク」に違う意味付けをされて戸惑っちゃう、という感じがしています。

先述のように、mixiがしばらく前からリアルな人間関係ベースのソーシャルグラフ構築を指向していて、それでコレ、というのであれば納得できなくもないのですが。

mixiは当初「(リアルの)友達があなたを見つけやすいように」ということで実名登録を推奨していて、途中から、諸々問題が起きたことで実名登録の推奨をやめ、さらに実名の公開をオンオフできるようにしています。2006年11月の記事で、こんなものもありました。

そんな中、今月私が注目した記事はこちらです。
mixiで氏名・性別の公開範囲を限定可能に ITmedia
記事にも書かれているように「本名で登録していたユーザーが、日記に問題のある内容を書き込み、身元が割れて騒ぎになるケースが何度か起きていた。」ため、これまで全会員向けに公開されていた氏名や性別の情報を、「友人まで」「友人の友人まで」「全体に公開」など段階を分けて公開できるようになるようです。
実名を中心としたコミュニティのために、今度は利用者自身がトラブルに巻き込まれることが増えてしまったというのが、残念ながら事実だということでしょう。
mixi実名流出問題から学ぶこと - [最新ネットコミュニケーション] All About

つまり、サービス側の「こういうソーシャルグラフを構築すべし」という方向づけが、けっこうブレているんですね。社会問題と見られているのに逆らって実名制を貫くわけにもいかないでしょ……という見方もあるのですが、リアル人間関係をWebにもってきて楽しむことが重要と考えるのなら、それを維持しつつ問題が起きないようにする、という考え方もできたわけで(おそらくそれは拡大の鈍化に繋がり、選択しがたい方向だったのではないかと思うのですが)。

オープンにして使いでのあるソーシャルグラフとは、どういうものか?

個人的な問題意識は、「mixiのソーシャルグラフはWeb上で自分が持っている人間関係の1レイヤーに過ぎないので、それだけをあちこちに運ばれても使いにくいと思う」というものです。これは、mixiが今後アーキテクチャの実装で、また、さまざまな形のメッセージで方向性を示していくことで、解決していくものかもしれません。

これからも使われ続け、成功し続けられるSNS、ないしソーシャルグラフ・プラットフォーム(プロバイダー)の方向性というのはまだどこも模索を続けている状態だと思います(国内でいえばGREEなど含め)。いちはやくそこを見つけられれば、このオープン化施策は大いにハマるのでしょう。

ソーシャルグラフに関しては、「新しいサービスを試してもつながる人はいつものメンバー」みたいな状況や「新しいサービスをやりたいけど友達に声をかけて登録してもらうのがめんどくさい」という状況があるので、こうした問題を解決できると、とても良さそうです。

逆にうまく行かないと、「mixi疲れ」をmixi外にも広げてしまうことになるのでは、という気もしなくもありませんが。

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