TQ(タイム・クエスト)心の安らぎを得る究極のタイムマネジメント
Amazonで「タイムマネジメント」と検索したら最初に出てきたので、買ってみました。単行本は1999年発売で、2009年に文庫化されたようです。
本書は「時間を管理して効率化した結果、何をしたいの?」という問題に対し「心の安らぎを得る」という、抽象的な回答を設定しています。それがどういうことかは、本書を読み通せば理解できるのですが。
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本書は3部10章構成で、各章は冒頭で「個人の生産性と達成能力を支配する法則」と述べられているところの10の法則に対応しています。
以下に本書の構成を、一回読んだところでの大雑把なまとめと一緒に紹介します。
第1部 あなたは「時間」をコントロールできる
自分の価値観を発見し、それに沿って生きろ。価値観に合わないことは勇気を持って蹴れ。 そして惰性で生きられる「安心領域」を出ろ。計画を立て、行動後にはそれを評価し、自分を律して生きろ。そこに本当の「心の安らぎ」がある。
- 第1の法則 :「時間」をコントロールすることにより「人生」をコントロールする
- 第2の法則:価値観が自己実現の土台である
- 第3の法則:日々の行動が価値観を反映しているとき、「心の安らぎ」を経験する
- 第4の法則:有意義な目標は「安心領域(安楽と怠惰の習慣)を出ることによって達成される
- 第5の法則:毎日の計画は集中力を高め、時間の有効活動を可能性にする
第2部 あなたは「行動」をコントロールできる
自分の想い、行動、それらが今後起こしうる結末について「リアリティー・モデル」で分析せよ。好ましくない結果を招きうる想いは修正していこう。
- 第6の法則:行動とは自分の本当の想いを反映したものである
- 第7の法則:想いが現実に即しているとき、自分の欲求が満たされる
- 第8の法則:誤った想いを改めることにより、否定的な行動は克服できる
第3部 あなたは「人生」をコントロールできる
時間と行動をコントロールした結果「心の安らぎ」を手に入れることができる。そのために必要なものとして、最後に「自尊心」と「奉仕の精神」について確認する。
- 第9の法則:本当の自尊心とは自分の中から生まれてくるものである
- 第10の法則:多くを与えれば多くを得られる
自己肯定感がないと何も始まらない
本書を読んで最初に強く感じたのは「読者に基本的な自己肯定感や周囲の人たちへの愛情がなければ、本書にあることは何一つとして実践できない」ということでした。
本書では「自己肯定感」という言葉は使っていませんが、当ブログでは何度か言及しています。赤ちゃんが「周囲の人は自分の要求に応えてくれ、自分を大切にしてくれる」と実感する頃から育まれる(べきである)、自分の存在を自分自身で肯定できる感覚のことで、本書においては「自尊心」やリアリティー・モデルの「想いの窓」への言及に、類似の話題があります。
私は今、妻のおかげでそれなりの自己肯定感を持って生きることができていますが(ときどき再び失いそうにもなりますが)、そうでない頃の自分が本書を手に取ったら、立脚地のなさに目眩がしたんじゃないかという気がしなくもありません。
本書の402ページでは、「おこれはおそらく本書全体でも最も重要な言葉になることだろう」として、自己評価のワークを行う際に、次のようにしろと述べられています。
「もしあなたが真ん中の円の自分に10点をつけられなければ、周りの円に記された役割で10点を達成することはできない」
以降、ハイラム氏は「本当は、私たちは皆10点満点なのだ」等と説きます。ここを腹に収めないと、その先には進めない。根本が歪んだまま生きるのは無理で、そこから矯正しないといけないんですね......。
ロジカルに人の価値観の根本に切り込む「リアリティー・モデル」
本書ではこのあたり、ちょっと意外なほどにクールかつロジカルに話を進めています。それが「リアリティー・モデル」という概念で、
- 人間の心には4つの心理的欲求「生きる」「愛し愛される」「他人から認められる」「変化を味わう」がある
- 欲求を方向づける人の想い(想いの窓)がある
- 想いから、人はルールを作る
- ルールによって人の行動パターンが生まれる
- 行動した結果は、心理的欲求にフィードバックされる
大ざっぱにはこんなものです。
自分がどのような「想いの窓」を持っているかを見つけ出し、それによって作られるルール、ルールに従って行動した未来の結果の予測することで、それが好ましい結果を生む想いなのか、そうでないのかを判定します。そして、好ましくない想いは修正していこう、というものです。
過去の何やらかんやらをウジウジ悩むのでなく、ロジカルな未来予想に基づいてお前の考え方(想いの窓)を修正していけ、といったところです。リアリティー・モデルで問題になるのは「想いの窓」であり、当人の人間性そのものは論じない、のだそうです。345ページで「相手を人として攻撃せずに、その人の『想いの窓』に対してだけ批判的なコメントが述べられる」と説明されています。
つまり「パパはお前を愛している、その点は常に変わらない。ただ、今お前が持っている想いの窓は、将来に渡ってお前を好ましい方向に導くだろうか?」といった話し方ができるというわけです。わが家では時々「お父さんは息子のことをいつでも大好きだけど、そういう悪さをお友達にすると嫌だなーって思われるし嫌われるぞ!」といった叱り方をすることがありますが、ちょっと似てるのでリアリティー・モデルの概念を取り入れていきたいと思いました。
未来を予測し、好ましい結果に近づく想いの窓に改める
先日、「小さい頃親に買い食いを禁止されていたせいで大人になってから買い食いがやめられません」という人生相談をどこかで目にしましたが、これをリアリティー・モデルにあてはめると、
- 「お菓子を食べて変化を味わいたい」という欲求がある
- しかし買い食いは禁止されてきたため「親元を離れたら買い食いをしたい」という想いの窓ができあがる
- 「お菓子を見たら買い食いすべし」というルールができあがっている
- お菓子を見たら買い食いする、という行動パターンができる
- その結果としては、お金がなくなる、健康が損なわれるといったことが予想される
- だからここでは、想いの窓を修正しようね
といったもの......なんでしょうかね。本書から一例を抜粋してみます。
- 育児と仕事の両立に悩む女性がいた
- 彼女は「良い母親は家にいなければならない」という想いの窓を持っていることに気付いた
- 「良い母親とは子どもが母親を必要としているときにそばにいる人である」という想いに修正した
- これによって、育児と仕事の両立の道を見つけ出し、心の安らぎを得ることができた
このあたり、まだ消化しきれていない感があります。そして第1部の内容も全く実践に移せていませんので、また後日振り返りたいと思います。
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