働き方をメタ視点から考え直す機会をくれる「プレイフル・シンキング」  

ただいま本が手元にない(本棚のどこかに埋もれている)ので記憶だけで書きますが、一時期よく使われた(仕事としての野球を)「楽しむ」という表現に対し、違和感を表明したイチロー選手の発言があります。しかし「充実感を持って取り組むことを『楽しむ』と表現するのであれば、自分も常にそうありたいと考えている」といった保留を付けています。私も、そういった感覚で本書を読みました。

プレイフル・シンキングプレイフル・シンキング
上田 信行

宣伝会議 2009-07-03
売り上げランキング : 60491

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

本書の前書きには、「プレイフル」という言葉について次のように書かれています。

この本のキーワードである「プレイフル」とは、物事に対してワクワクドキドキする心の状態を指す言葉である。キャロル(引用者中:前の段落で著者が紹介しているキャロル・ドゥエック氏のこと)のアイデアを参考にしながら、仕事を楽しむためのエンジンとして考え出した概念である。

さて、本書は、ともするとイヤイヤだったり指示待ちだったりになってしまう仕事に"プレイフル"に取り組もうぜ、という話を、平易でちょっと軽めのテキストと脱力系イラストでもって進めていく本です。うっかりするとよくある自己啓発書のような内容ですが、自己啓発書にたまに感じられる「力み」のようなものはありません。

  • 第1章 見方を変えれば気持ちも変わる
  • 第2章 目標をデザインしよう
  • 第3章 足踏みしないでチャレンジしてみよう
  • 第4章 形にしないとはじまらない

このあたりまでは、内容をなんとなく想像できる方も多いかと思います。一段高い視点から自分の仕事を捉え直し、目標を設定し、結果をまた省察(振り返り)し......といった話が展開されます。

  • 第5章 もっと他力を頼りなさい。

ここで、話は協働に進みます。つまり、プレイフルにやるためにはひとりでなく共同でやる、または共同作業のやり方を工夫するということが非常に重要ということでしょう。

まず「知能や能力は分散して存在する」。「協働作業がプレイフルに進んでいくためには、お互いの考え方をまずは受け入れることが大切である」と説かれます(学者さんの本ながら、大事なところは太字になっていたりして後から読み返すのもラクです)。

そして「『何をやるか』より『誰とやるか』」。ちらっと見るとものすごく実も蓋もないこと(誰と組むかでプロジェクトの成否は決定してしまう的な)を言ってるような気もしますが、文意としては最初にゴールをガチガチに決めるより、パートナーとの関係からその場で生まれるものを大事にしよう、といった意味です。

  • 第6章 人をプレイフルにする環境の力
  • 終章 プレイフルな場としてのパーティの可能性

ここからは「パスタでプレゼン」とか「風船で自己紹介」とか、ちょっと並のオフィスワーカーにはマネできないプレイフルすぎる領域に入っていくのですが、いつか参考になる機会もあるかも、と思います。

  • 次の記事 »
  • Clip to Evernote
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • « 前の記事