Evernote発表会に見た「洋魂和才」のかたち
2010年6月23日、Evernoteの日本法人設立と日本語文字認識、日本での新パートナーの発表が行われました。

3つとも大きなニュースですが、まず特筆すべきは新パートナー企業のバラエティに富んだ顔ぶれです。
- ソースネクスト:EVERNOTE スターターパック超名刺 Business Card Manager
- NECビッグローブ:BIGLOBEでのEvernoteプレミアムの提供
- ぐるなび:ぐるなびにEvernoteへのクリップ機能
- アイティメディア:「ITmedia」iPadアプリ
での連携 - ぺんてる:airpenMINI
- バリューイノベーション:「保存するメモ帳 abrAsus」のEvernoteエディション
記者発表後のイベントで紹介されたものもあります。
- Eye-Fi X2でEvernoteプレミアムとのセット販売
- Zeptopad Planner note
(こちらは記者会見でも軽く紹介) - iUniv
ついでに、3月に発表になったパートナーもおさらいしてみます。
- キヤノン:DR-150
- ソニー:VAIO
- NTTドコモ:Xperia
- インフォテリア:TwitCal

- トリワークス:Androider
- アイファイジャパン:Eye-Fiカードとの連携/Eye-Fi Shareと1年間のプレミアムとのセット販売
- バリューイノベーション:「保存するメモ帳 abrAsus」のEvernoteエディション(予告)
このほかにもEvernoteと連携しているサービス/ソフトウェアは多数あり、Evernoteをプラットフォームとしたサービスの広がりが、大変に楽しいことになってきています。「日本は最もパートナー(企業/APIパートナーの両方)が多い国だ」というPhil Libin CEOの言葉もありました。
こうして見ていって思ったのは、これが、日本のIT業界にとって無理なく世界に影響力を持てる理想的な形なのではないか、ということでした。
コンセプトは海外で、作り込みは日本で
先日、このような記事を読みました。
「思想のプロダクト・アウトと、機能のマーケット・イン」というものが
Twitterのユニークなところであり、強みなのだ。
「プロダクト・アウトなのか、マーケット・インなのか?」という
多くの企業、経営者、クリエイターが、ずっと悩んできたことの答えを
さらっと出して、実行してしまったところに、Twitter社の成功があると僕は思っている。
eno blog: Twitter社訪問と3つのキーワード。
これをEvernoteとパートナーに当てはめて考えると、
- コンセプトはEvernote(アメリカ)発で
- 周辺サービスや関連ツールの作り込みは日本が強い
という関係が成り立つのではないかと。Evernoteの「すべてを記録する」、「外部脳」というコンセプトは、非常に大胆でユニークなものです。これを日本で打ち立てて広めるのは、容易ではないと思います。しかし、何だかんだで「これってアリじゃね?」という話になったら、それを土台にしていろんなものを作るのは、日本人が大いに得意とするところ、と言えるのかなと。
つまり「コンセプトは海外で、その上の作り込みは日本で」という形。いわば和魂洋才、和魂漢才ならぬ「洋魂和才」とでも言うべき形が考えられるのではないかと思います。
同様に日本企業とのパートナーシップのために日本法人を作ったEye-Fi
Eye-Fiも、日本企業との協業を考えて子会社を作っています。
──Eye-Fiの子会社は世界にどのくらいあるのでしょうか?
田中:子会社は日本だけです。そもそも、まだ立ち上がったばかりのベンチャー企業ですから。当初は「わざわざ海外に法人を持たなくても、営業支店でいいんじゃないか」という意見もありました。しかし、僕は絶対に日本法人が必要だと思ったのです。
日本での仕事には、カメラメーカーとの協業も想定できます。これが海外法人とのやりとりになると、さまざまな手続きに時間がかかってしまう場合があるのです。日本法人があれば、そうした問題はなくなります。
初のEye-Fi現地法人を作った日本ならではの事情とは?―アイファイジャパンの仕事術(後編) できる人のデジタル仕事術 - できるネット+(できるネットプラス)
記者会見で日本法人の会長に就任した外村さんが「Evernoteは人をつなぐ」といった話をされていましたが、Evernoteというプラットフォームやコンセプトが、日本企業の世界進出も助けてくれることになるかもしれません。
商売としては自分でコンセプトを打ち立て、プラットフォームになることが理想的ではあるわけですが、現実としてそこがなかなかうまくいかない中で、次善の策と言えるかなと考えています。
タイムマシン経営というのは、ソフトバンクの孫さんがネットバブルの頃に唱えていたキーワード。アメリカの最先端事例をコピーして日本にすぐに持ってくれば、アメリカと日本には数年の時差があるのでそれによってあたかもタイムマシンで未来からサービスを持ってきたかのごとく、サービスを成功させることができるというコンセプトだった。
(中略)
ただ、このタイムマシン経営による成功パターンは、実はブログやSNSを最後に途絶えつつある。 [jp] もはや、日本でタイムマシン経営を成立させるのは無理か
こんな話に対しても、ひとつの解決策だと言えるかもしれません。
![]() | できるポケット+ Evernote 活用編 コグレマサト いしたにまさき 堀正岳 できるシリーズ編集部 インプレスジャパン 2010-06-18 by G-Tools |
![]() | できるポケット+ Evernote コグレマサト いしたに まさき できるシリーズ編集部 インプレスジャパン 2010-03-05 by G-Tools |
- 2010.06.25
- [ガジェットの話]




