外山滋比古「思考の整理学」
何やら売れているらしいということで手にとってみた本。半分エッセイ、半分ハウツーといった趣で、「グライダー」ではなく「飛行機」のように自発的に飛べるように、そして、「コンピュータ」のように記憶と再生に執心するのでなく人間的な創造性のある思考ができるようになるためには、どうするべきか、という内容です。
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内容は、○○ハック系の情報サイトやビジネス書などで見たことがあるようなものが多いです。それは、それだけ本書の内容が古びず(初出は1983年とのこと)、現代にも通用するこということの証でしょう。
気になった部分をいくつかメモしておきます。
p.146 ホメテヤラネバ
他者の思考を聞いたときは、いいところを見つけて称揚するべきだ。人が過去を振り返って、ここまでやってられれたのは誰のおかげかと考えてみると、たいていはほめてくれた人が浮かぶものだ。
ほめられると、われわれの頭は調子に乗り、思いもかけないことが飛び出してくる(ピグマリオン効果)。ほめることは最上のあいさつであり、ほめられた人の思考は活発になる。
p.154 しゃべる
考えたことをしゃべってしまうと、頭の内圧が下がり、思考を継続し、より発酵させよう、純化させていこうという気力が失われてしまう。また、そこで否定的な意見を受けることで、アイデアの芽がつぶれてしまうおそれもある。あえて黙って、内圧を高めることが必要である。
だからといって、引きこもって考え続けていればいいというわけではない。気心が知れていて、しかもなるべく縁のうすいことをしている人が集まって、現実離れした会話をするとき、触媒作用による発見、セレンディピティが期待できる。頭だけで考えるのでなく、しゃべりながら声に考えさせることも必要である。
p.198 既知・未知
知的活動には、(A)既知のことを確認する、(B)未知のことを理解する、(C)まったく新しいことに挑戦する、という3つの種類が考えられる。学校教育の読書はAから始まるが、かつては子どもにB、Cから始めさせることが多かった。
別章「不幸な逆説(p.16)」では学校の教育者が教えることに積極的すぎるという指摘をしている。親切に何でもかんでも教えすぎず、学習者の知りたい、学びたいという意欲を高めることが重要であると述べている。
- 2009.09.26
- [読書・書評]
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