Web2.0が終わり、クラウドコンピューティングが始まる
Web2.0で新しいものとして紹介された要素のいくつかは当たり前の存在となった(例えばCGM要素、タギング、マッシュアップなど)。一方で「Web2.0的」とされてきた多くのサービスが採った「PV上げて広告収入ゲット」ビジネスモデルの行き詰まり感がある。
"Web 2.0″という言葉は死んだ(TechCrunch)
他方「集合知」のコントロール・活用法については、最近もブログマーケティング関連の騒動が巷を賑わしているように、ノウハウ/ハウツーがいまだに確立していない。新味もなければ「Web2.0=イケそう」というイメージも消えてしまったのでは、使う人もいなくなるでしょう。
新しいバズワードの席に「クラウドコンピューティング」が入るんじゃないか、と見る向きもあるけど、ちょっと違うのかなあと思う。いや「Web2.0」も「クラウド」もかなり自由に解釈できる言葉なので「そうだ」という解釈も可能でしょうが。
違うと思う点をいくつか。
Web2.0は「事例の分析結果」。クラウドコンピューティングは「スタイルの提案」。だからクラウドコンピューティングは実践しやすい
もうノウハウ/ハウツーがある:クラウドの要素は「ユーティリティコンピューティング」+「マルチデバイス」だと捉えているけれど、これは純粋に技術的なもので、人々の心を相手にするCGMマーケティングやコミュニティ運営のような難しさはない
大資本が参入:だとすると、資本力・技術力の勝負となる。Web2.0の頃にはなりを潜めていたIBMetc.がやる気。マイクロソフトも今度こそやる気
中心は企業向け。そして不況:Web2.0は主にBtoCビジネスの世界で使われた言葉だが、クラウドはどっちかといえばBtoB。不況対策でコストカットの必要性が、SaaS導入の背中を押す
(余談1)そろそろ広告モデルに飽きる:これは漠然とした期待半分。企業も広告モデルに限界を感じているだろうし、ユーザーも「広告うぜー」とかなりなって来ているのではないか。DropboxやEvernoteなんかのように、お試しは無料でじっくり使い込みたければ有料というモデルのツール系サービスがユーザーの支持を集め、コンテンツ販売を手がけるサイトも増えていくのではないかと思う。それには課金プラットフォームの整備とか課題が出てきますが
(余談2)「Web2.0」の要素の一部は引き継ぐ:マルチデバイスはオライリーが掲げた「7つの原則」の1つであり、また「The web as platform」はSaaSの基本。そういう視点からは、クラウド=バージョンアップしたWeb2.0と見ることもできるかも
そんなこんなで、クラウドコンピューティングの本が出ました。書店では山吹色のオビが目印です。
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小林祐一郎
