犯行予告共有サイト「予告.in」が痛快だ。が...  

8日に秋葉原で起こった無差別殺傷事件などを受け、総務省がプロバイダ等に犯罪予告の通報を要請したり、犯罪予告の自動検知システムの開発に着手しているとのこと。

東京・秋葉原で起きた無差別殺傷事件を受け、総務省が全国の約1万4000のインターネット接続業者などに対し、ネット上で犯罪行為の予告を認知した際は速やかに110番通報するよう要請していることが12日、分かった。
時事ドットコム:犯行予告の通報要請=全国1万4千のネット業者に−総務省

開発されるシステムは、掲示板に書き込まれた犯罪や自殺予告を思わせる単語を抽出し、文脈からコンピュータが危険性を判断、信憑性の高い情報を警察に通報するという仕組み。(中略)同省では研究開発費として、2009年度予算要求に数億円規模を盛り込む方針だ。総務省がネットの犯行予告を自動検知するシステム開発に着手:ニュース - CNET Japan

開発費0円、開発期間2時間で公開

で、その話を受け、開発費0円、開発期間2時間の「予告.in」というサイトが登場したという。

これは痛快だ。「予告.in」のシステムは、はてなブックマークや2ch等から犯罪予告関連の情報をアグリゲートし、専用のMLやTwitterで共有する。情報投稿用の掲示板やWikiもある。

要するに、CGM型の犯罪予告検知システム。お好みでWeb2.0型とかウィキノミクス型とか言ってもいい。

人の命を守るためであれば「2009年度予算要求に数億円規模を盛り込む」のも安いものだ。とはいえ、べらぼうな財政赤字の折に無駄な出費を避けたいというのも事実であり、「おいおいまず金の話かよ。だから土建国家って言われるんだよ」という突っ込みもしたくもなる。

そこで無用に予算をかけないCGM型の犯罪予告検知システムを提案、というのは素晴らしく面白い。時代に合っていると言えると思うし、まず金ありき(のように見えてしまう総務省のそれ)でなく無数の小さな良心たちに頼る、というのはユーザーのリテラシー向上にも繋がるのではないか。

「共有しても楽しくない情報」の共有サイトは成功できるのか?

とはいえ、こうしたサイトの運営は簡単ではない。

少し前には、同じくCGM型の学校裏サイト情報共有サイト「学校裏サイトチェッカー」というのが登場していた。

「年内に3万件の登録を目指す」としているようだが、公開から10日以上だった今日で430件。このペースではぜんぜん届かない。

いわゆるCGM系のサイトで情報共有が促進されるのは「良いものだから友達に教えてあげたい」とか、「自分の好きなものの情報が誰かの役に立ったらうれしい」とか、そういった前向きなモチベーションがベースにあるためで、ポジティブなフィードバックによって参加者はそのサイトを継続利用し、データがたまっていく。

犯罪予告とか、学校裏サイトとか、共有しても面白くないネガティブな情報では、このポジディブフィードバックが回らない。下手をすると、それをネタ的に楽しむ(不謹慎な)ユーザーや、「ヨイコトをする」のが趣味になってしまっているタイプの困ったユーザーばかりが集まってしまうおそれもある。

また、一歩間違うと相互監視、密告奨励サイトのようなものになってしまうかもしれず、なんとも難しい(「予告.in」の場合は他サイトからの自動収集がメインだが)。その点で言えばプロバイダーに通報を要請というのは、とりあえず妥当な一歩だろう。

とりあえずフィード提供の義務化から始めたらいいんじゃね?

とはいえ、技術的な話はあまり分かってないであろう総務省や高く見積もりそうな請負業者に、Web2.0的なソリューションを提案していくことは重要な意義があるだろうし、ユーザーの力をうまく頼る形を作ることも重要だろう。

例えば、掲示板等のCGMサービス提供業者にはフィードの提供を義務化する。ついでにpingを飛ばすのも義務化して、モバゲーのアレ並の監視センターを立てれば、けっこうな精度で犯罪予告を瞬時に察知できるシステムができそうだ。「学校裏サイトチェッカー」のチェックも自動化しやすくなるだろうし、「予告.in」のカバー範囲も強化できる。一石三鳥。

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