秘密基地2.0としてのケータイ考  

こんにちの子どもにとってのケータイを介したコミュニケーションというのは、私が子どもだった頃の「秘密基地」に近い感覚なのかなと思った。先日の「ガイアの夜明け」など見ていて、やはりそんな感じかなという思いを強くした。ということで、「秘密基地」という見立てを通じて、青少年にとってのケー...

こんにちの子どもにとってのケータイを介したコミュニケーションというのは、私が子どもだった頃の「秘密基地」に近い感覚なのかなと思った。先日の「ガイアの夜明け」など見ていて、やはりそんな感じかなという思いを強くした。ということで、「秘密基地」という見立てを通じて、青少年にとってのケータイというものを解析してみたい。

ケータイ(主にケータイサイト)を秘密基地に見立てて考えてみる

秘密基地はまあ「たまり場」でも「隠れ家」でも良いのだけども、要件として、次の2点を挙げておく。

  • 気心の知れた仲間が集まる場であること
  • 仲間以外の目が届きにくい、仲間以外の目を気にする必要のない場であること

単なる「たまり場」というだけでなく、いくらかの「秘密」感が重要だと思われる。ちなみに、こういう「秘密基地」を求めるのは子どもだけとは限らない。いくつか最近目に付いたものを挙げておこう。

「お父さんたちのお酒の飲み会と同じだと考えてみれば? ほら、中学の時、おやじの会とかで近所のお父さん、お母さんたちが集まって飲みながら話していたけど、くだらない話ばっかりだったじゃない?」
けんじろう と コラボろう! > 娘を攻撃した学校裏サイトでの「いじめ」が解決した~子供のネット規制は禁酒法時代の二の舞か? : ITmedia オルタナティブ・ブログ

もうひとつ。

「面識のある少人数の集まりによる居心地の良い『サークルの溜まり場』的な場所、『大人の隠れ家』といったSNSの新たな見方があることがわかった。既に面識のある仲間同士の交流なので、安心して息の長いコミュニケーションが可能であると考えられる」
SNS作成の目的は「大人の隠れ家」づくり、So-netがSNSオーナー調査(INTERNET watch)

秘密基地は必要なもの

青少年にとっての秘密基地というのは、同年代の仲間とコミュニケーションを取ったり精神的なやすらぎを得たり、大事にならない程度の悪事やつまずきを経験するために、必要なものだと考えていいだろう。

かつてのような「秘密基地」に使える場所も時間もないであろう現代においては、ケータイサイトを通じた「非同期秘密基地」とでも呼ぶべきものに、代替の役割を期待できる。

理想的な秘密基地の条件とは?

ここで「秘密基地」のイメージをもう少し絞っておきたい。「理想的な秘密基地」というものを考えるとすれば、先に挙げた2つの要件の補足として、

  • (1)気心の知れた仲間以外はいないこと
  • (2)適当な距離を置いて、仲間以外の(大人の)目があること

というのが必要だろう。

ここから想像の割合が濃くなるが、(1)について考えると、昔は、学校が終わったらクラスメイトと「繋がっていない」のが基本だったのに対して、今ではケータイがあるために「繋がっている」のが基本になっているのではないか。「ケータイ疲れ」」なんて話もあるが、「気心が知れた」というほどではない間柄でも何となく繋がっていないといけない(気がする)というのは、けっこうなストレスだろうと想像できる。

(2)については、今のケータイに関する技術的なことを大人がほとんど分かっていない、というところで話にならない。また、ネットの通信内容の秘匿性が高いのも問題で、ケータイにはフィルタリングだけでなく、保護者による通信記録の閲覧や保護者への利用状況の通知も含めた、総合的なペアレンタルコントロール機能の導入を考えるべきではないか。

このあたりの見立てとしては、「子ども部屋への友達の出入りを把握できる」、「子ども部屋の盛り上がり具合がだいたい分かる(壁を通して)」、「秘密基地がある空き地の隣はカミナリ親父の家である」みたいな感覚。

親が中身を把握できない子ども部屋は犯罪の温床になる、というのは過去に多数の事例がある。大人の目との適当な距離が、心理的効果まで含めて子どもの暴走を防ぐ働きを持つのだろう。このあたり、モバゲーのアレみたいな味気ない一律監視よりも、大人がアナログな判断基準を持って監視できるのが理想的なのは間違いない。実運用を考えると非常に難しいけども。

また、ケータイサイトでは、秘密基地が悪い大人や上の世代の子どもの世界とあっさり通じてしまっているのも大きな問題だろう。中学生は中学生なりの悪事を楽しむべきで、いきなり高校生の悪事をやるのは心身に良くないのではないだろうか。中学生なりの悪事って何だよ? と言われるとよく分かりませんが。

理想的な秘密基地を作るには?

例えばSo-net SNSのような小規模SNSが作成できるホスティングサービスを使い、親が環境を整えてやることで、子どもにとっての理想的な秘密基地を作ることは今でも可能に思える(So-net SNSを使ったことがないけど)。

とはいえ、中学生ぐらいになれば知識も付き、お仕着せのシステムでは嫌だという話になりそうだ。だとすると、親のミッションとしては、そういう話になる前に知識に見合ったリテラシーをどうやって身につけさせられるかと、信頼関係の構築が課題となる。

ベーシックなところでは、

皆さんに理解していただきたいのですが、匿名あるいは偽名で様々なコメントを書いていますが、”IPアドレス”という情報から、皆さんが”どこから”これらのコメントを書いているのか(アクセスしているか)を、ほぼ特定することが出来ます。
けんじろう と コラボろう! > 娘を攻撃する学校裏サイトに親としてメッセージを書いた結末 : ITmedia オルタナティブ・ブログ

といった知識や、親にそれだけの技術があることを子どもに理解させておく必要があるのだろう(で、それを補助するツールをキャリアやメーカーは作るべき)。

もうひとつ、これは男の子の育児に関する本に書いてあったことだと記憶しているのだけど、ティーンエイジになった男の子には、父親以外の尊敬できる大人の男がついていることが理想的なのだそうだ。

どうしても父親と男の子は対立してしまう面が出てくる。それは正常なことなのだけど、子どもの理想(ロールモデル?)となり、信頼関係を築いて指導してくれる大人がいることで、男の子はより理想的な形で成長できるのだとか。

だとすると、大人がモデレーターとなって子どもの参加者を集める(趣味かなんかの)コミュニティサイト、みたいなのの可能性が見えてくる。ニッチかつ社会的イメージが良いもので、少数の子どもを集めていろいろやる有料サービス、みたいなのができないかな。