伊集院光「のはなし」
何やらバカ売れしているらしい。ネットで売れるというのはユーザー層がそんなもんなんじゃないかな? みたいな感じで納得できないこともないんだけど、リアル書店でも軒並み品切れという話。そんなに伊集院って人気者だったのか?
ラジオだと面白いけど、テレビだとどーってことのないデブに過ぎないと思うのだけども......。それはラジオの面白さを知っているのでハードルが高くなりすぎていて、テレビ版への評価が普通より辛いんだろうか。
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内容はラジオのフリートークのネタにもしていたものが多く、無駄な拾い食い的ギャグが薄まり、口調も一定であるので、ちょっとラジオとは違った感覚で読める。深夜の痴豚様(最高級の敬称)ファンなら当然買いであろうし、そうでなくて昼のラジオの伊集院光ファンとか、テレビの伊集院しか知らないけどなんか物知りでクイズに強い人みたいだからエッセイも面白いんじゃね? 的な期待で買う人にも、面白さはそのまま、毒はほどよく抜けた感じで、安全に味わえる。
なお、書店でお買い上げの際にはカバーをかけてもらいことをお忘れなく。裏表紙のオビに「あそこが痒い」とかデカデカと書いてあります。
伊集院の話の面白さは、話し手の立ち位置が明確に相対化されていることの安心感+視点の面白さかなあと、最近は思っている。噺家出身であり相当な変人である伊集院の話が普通の水準以上であるのは当然だが、それと同時に「俺は中卒で誇大妄想の被害妄想ちのデブ」のような強固なコンプレックスを持っていて、そこを隠さないし開き直りもしない。
世の中、有名人の多くは「俺が標準。標準であるべき」とか、「俺は変だけど、それはそれでイイ」みたいなスタンスの人ばっかりだなと個人的には感じていて、エッセイなんかはつまり書き手の布教活動みたいなもんなんじゃね? とか思ってしまうんだけども、伊集院の場合は、自分の話はするし自分で自分の考えに確信は持ってると表明するけども、それで皆を従わせようとしたりリスナーに共感を求めたり、みたいなことをしないあたりが、良いんじゃないかと思う。
他人にあーだこーだ言われて疲れたところに、痴豚様の何も押しつけてこないエッセイは心地いい。
- 2007.10.08
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