ロミオとジュリエットにはたらく社会の力について  

「ネットワーク分析―何が行為を決定するか」の冒頭で「ロミオとジュリエットのように、双方の家族や友人たちに反対されている恋人たちは、(A)反対を受けてかえって燃え上がる(B)反対の影響によって醒めてしまう のどちらになる確率が高いか?」というクイズが出される。この本での正解はBとなっている。

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安田 雪

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一方、「影響力の武器」では、自由な選択が制限されると、それへの反発心から、制限されているもの・ことがより良いものに思えてくる、という「心理的リアクタンス」の例として、「ロミオとジュリエット」が挙げられている。つまり、周りに反対されたらかえって燃え上がるよな普通、と言っている。

影響力の武器[第二版]影響力の武器[第二版]
ロバート・B・チャルディーニ 社会行動研究会

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両書ともちょっとした例題レベルの話で本腰を入れた「ロミオとジュリエット」の作品分析といった趣ではないのだが、正反対のことを言っているのがちょっと面白い。

どちらかが間違っている、というわけではなく、心理的リアクタンスが起きないようにして周囲の反対の意志が伝わった場合には別れる方向になりやすいが、頭ごなしに「二度と会ってはいかん!」的なことを言ってしまったりすると心理的リアクタンス(反抗心)が起こりまくりでかえって火に油、といったところなんだろうと思う。


そういえば「肥満は一種の伝染病だ」という話が少し前に出ていた。

WIRED VISION / 「肥満もネットワークで伝染」疫学調査結果が引き起こした騒動

ネットワーク分析の視点で見ると、人間は近いノードの影響を受けやすくいから、肥満を気にしない人や肥満になりやすいライフスタイルの人が近くに多ければ、自分も肥満になりやすい、という話だと解釈できる。このへんは社会的証明の概念に近い。家庭内暴力の連鎖、みたいな話も同様の概念で説明できるだろうな。

逆に、やせることに対して心理的リアクタンスが起きるようにすると、やせられるのかもしれない。ドンドン食べるように強要するとか……それじゃ喜んで食べそうだ。「ダイエットなんてムリだろ」とか周りにバカにされまくったら、見返してやるぜ! とやる気が出た、みたいな感じか。

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