みうらじゅん「色即ぜねれいしょん」をどう読んだらいいか分からない

ウィキノミクスの読み過ぎか、脳が疲れて小難しい話が全然入ってこなくなったので、絶対に深刻だったり感動的だったり考えさせられたりしない、軽くてくだらなくてばかばかしい本を読みたい! と思っていたら、目の前にみうらじゅんの本があった。

色即ぜねれいしょん (光文社文庫 み 17-2)色即ぜねれいしょん (光文社文庫 み 17-2)
みうら じゅん

光文社 2007-07
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期待どおり、軽くてくだらなくてばかばかしかった。ただ、頭の変なところを無駄に使ってしまった感じがする。

本作は、童貞の高校生が童貞を捨てたくて旅に出て、いろいろもがく童貞っぷりを楽しむ話。後書きを読むと、みうらじゅんの自伝的内容であるらしいんだけど、みうらじゅんってbirdと不倫して子ども生ませて奥さんと離婚した人でしょ? まあ、もともとメタ童貞(童貞ネタで商売してるヤリチン)的雰囲気の人ではあったしアレなのだけども、著者自身は、これを何を思って書いたのかよーわからん。受け止め方に困る。

そもそも、2004年の書き下ろしらしい作品にヒッピーとか全共闘なんて設定が入ったり、ヤンキーvs.文系少年なんて対立の構図が作られてるってことは、現代の高校生になんてぜんぜん向いて無くて、同年代のオッサン向けの小説なんだろうな。

主人公の純は、高校の友達と一緒に旅に出るんだけど、肝心な場面では抜け駆けをしてひとりだけヒロインに接近する。で、唯一の趣味である音楽はそこそこウデがあるらしく、それを通じてヤンキーとも分かり合う。なんともヌルいし卑怯だしで共感できるポイントがない。そして、どんな場面でも「でも、こいつ50近くになってからbirdと不倫して子ども生ませるんだよな」という邪念が入ってしまう。ヒロインがなんか行動するたびにbirdの姿が浮かぶ。困る。

ただ、純が「エンターテインメントはウケてなんぼ」と開眼するシーンは、とてもクールに現実を突きつけられている感じで、やっぱりみうらじゅんってすごいよねと思った。

仲間とつるんでるんだけど肝心なとこで抜け駆けしていい雰囲気になるけど不純異性交遊なマネはしないよ、みたいな自伝的小説としては、辻仁成の方が面白いと思う。これはエッセイであって小説じゃないんだけども、みうらじゅんがカッコつけたいのか茶化したいのか自虐的笑いにしたいのかよく分からないのに対して、辻仁成は淡々と普通にカッコつけていて、分かりやすいから安心して読める。細部の描写も好きだ。

そこに僕はいた (新潮文庫)そこに僕はいた (新潮文庫)
辻 仁成

新潮社 1995-05
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で、ちょっと回復したところで読んだのが掘辰雄の「風立ちぬ」に一緒に収録されていた「麦藁帽子」。以前からの懸案だったやつ。集英社文庫の「ナツイチ」フェアで平積みになってた。

風立ちぬ (集英社文庫)風立ちぬ (集英社文庫)
堀 辰雄

集英社 1991-09
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匂いフェチのツボを押さえた隠れた名作ロリ文学
萌え文学のおと 第弐回「麦藁帽子」

堀辰雄という人の作品は今まで読んだことがなかったんですが、繊細でどこか偏執的な描写がすばらしい。他の作品もいくつか読んでみたい。


とりあえず、今年の夏は「ナツイチ」からなんか読んだらいいと思った。

銀河鉄道の夜 こころ (集英社文庫) 友情;初恋 (集英社文庫)

宮沢賢治が好き、となんの衒いもなく言える人は一目置くようにしています。

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