PCは「食べ放題」、Macは「コース料理」
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若い頃は、1,980円払うなら食べ放題のメニューを大皿に盛って好き放題食べるのが、いちばんいいと思ってたんですよ。
でも、きちんと演出効果まで含めてメニューの順番や量が決められ、下手すりゃカロリー計算までされて、それぞれ料理に合わせた皿に盛り付けられて出てくるコース料理って、やっぱりいいなと。しかも値段は同じ1,980円だったりすれば、なおさら。
Apple StoreでMacを体験して、家でもいじくって、そんなことを思った。
DOS-Windowsはフリーソフトも含めて大量のソフトがあり、UIを自分でカスタマイズして、自分好みの環境を組み立てられるのが魅力だった。自作すれば安くマシンを手に入れることもできた。
対してMacは、一定の「こう使うべき/使ってほしい/使いたいでしょ?」というポリシーがあって、ユーザーに自由なカスタマイズを許すというよりも、そのポリシーに沿ってUIが作られているマシンだと思う。それはジョブスの思想ということでいいのかな。
当時の――私が知っていたのはOS7~9あたりの頃のMacは、スペックが思想に追いついていない感があった。満足に動くスペックの機種はべらぼうに高いし、アプリも高いし、とてもじゃないが買えないし買う必要もないと思っていた。
ところが、ちょうど今年あたりでガラリと風向きが変りそうだ。
少なくともオレ内では。
WindowsはVistaになって、思想があるのかないのか分からないけど、一定のUIをこれまでよりもさらに強く押し付けてくるようになった。
Windows XPを入れたとき、Windows Meまで頑固に使ってきた「卓駆★」というファイラーを捨てて、エクスプローラーメインにした。自分の「こう使いたい」という意思がマイクロソフトの「こう使わせたい」という意思に負けた。これは「使わされてる」なーと感じたのは、ここらへんが最初だったように思う。
で、Vistaではエクスプローラーの操作感がだいぶ変わり、私はそれに合わせてMSの新しい「こう使わせたい」に従わなければならなくなる。しかも、それば今のところ特段便利になったとは思えない。うーむという感じがくすぶる。
Windows Vista雑感
私の気分の中では、Vistaの発売によって一歩Windows側から心が離れてしまった。VistaによってOSが高価になったこと、Home BasicなんてVistaじゃねえよとすると要求スペックがグッと上がったのと合わせ、PCの価格が全体的に上がったことから、財布もWindows側から遠ざかりたい感じになっている。
同時に、歳を取って食べ放題ではモトを取るほど食えなくなってきているのも感じる。歩き回るのが面倒にも思えてきている。作り手がしっかり組み立ててくれるコース料理の有り難みが、身にしみて感じられるようになった。
現在のMacは思想にマシンスペックがバッチリ追いついている感があるし、聞いた話ではちょっと前(2、3年前ぐらい?)の不安定さもなくなって、扱いやすい状態にあるらしい。
それにしても、Apple自らが「Vistaに乗り換えるならMacに」みたいなせこいキャンペーンをするのはどうかと思うけども。マシンが持つ思想とそのPRの姿勢って、合ってないんじゃない? これに関連して思うひとつの不幸は、PCとMacで業界がぱっくり別れすぎてて、両方を見ることが意外と難しいことかもしれない。
- 2007.05.29
- [StartMac]

小林祐一郎
