プロフィールサービスの目の付け所とビジネスモデル
プロフィールのページを作れるサービスは昔からいろいろあったけど、ここのところで「プロフィール2.0」と呼ぶべき感じのサービスが出てきた。代表格はこの2つ。
複数のサイトを運営している人が、あちこちのフィードを1ページにまとめられるのが特徴のひとつで、このあたりメタデータ万歳な感じだ。
また、これまでユーザーを「受信者」と位置づけた形で提供されてきたパーソナルポータルサービスが、新たに「発信者」と捉え直すことによって、これらのサービスが生まれてきたと考えることもできる。
この「 フィードを活用」、「ユーザーは発信者」という2つが上記のような新しいプロフィールサービスのコンセプトと言え、まさにWeb2.0的に、旧来のプロフィールサービス(やパーソナルポータル)と差別化されている。
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受け入れられる下地
現在のパワフルなユーザーは複数のブログやソーシャルサービスを使っているのが普通になっていて、まとめるのが大変だった。また、これは個人的な感覚だが、ブログが増えて知らない人の言説を読む機会が増え、「この人は何者なんだ?」と思ってもまとまった情報が見つからず残念に思ったこともよくあった。
アバウトミーの開発者ブログにこんな言葉があるが、
このサービスは、
「ブログについてるプロフィールって、つまらなくね?」
というところから、
ブログと仲良し!「アバウトミーβ」、オープン! (アバウトミーブログ)
確かに、ニフティ(とTypePad)も含めてそのとおり。このような理由から、サービスを出したら受け入れられる下地はたっぷり醸成されていると考えられる。
ニッチの旨み
このタイミングで「プロフィールサービス」として出すことの意義に、他の代表的なCGMサービスと競合しない、ということがある。誰ももうこれ以上日記を書く場所を持ちたくないし、ブログの乗り換えをしたいとも思っていない人が大多数であり、特に、コミュニティ内である程度強い発言力を持ち、口コミでサービスを広げてくれるような層はそうだろう。
ところが「プロフィールサービス」という新しいジャンルなら、皆が興味を持って、手を出してくれる。ニッチを選んでのブルーオーシャン戦略。といっても、ユーザー数的にはニッチではない。
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改善・発展の余地はたっぷり
できあがるプロフィールを一見したところでは、やたら広告の目立つiddyよりも、アバウトミーの方が感じがいい。
また、アバウトミーではアンケートやTwitter風のステータス表示など、他のちょっとした話題のジャンル的要素もどさくさまぎれに突っ込んでいて、このあたり、プロフィールサービスの課題になるであろう「ページ数が少ない(基本1ユーザー1ページ)上にリテンションも少なくPVが稼げない」を克服しうる策となりそうだ。
実際、iddyはひととおり作ったらもう放置状態だが、アバウトミーはたびたび見に行っている。それに、Twitterの自分のページはどうも殺風景で寂しく、そもそも一言ずつしか書かないんだからプロフィールページのおまけでいいだろ? みたいなアプローチは全くもってその通りと頷ける。Twitter風に激しく使いたい人はAPI(今後出るらしい)経由で専用クライアントを使うだろうから、プロフィールがあっても邪魔にならないはずだ。
一方で、自分が運営している複数サイトをきれいに見せるページとしてはiddyの方がすっきりして良い感じで、コミュニティサービス要素を内包したアバウトミーは、ちょっと別の色がつく。まだまだ画面の作りや盛り込む機能、さらにはカスタマイズ性やAPIなど、改善・発展させていくべき余地はたっぷりありそうで、新規サービスの登場を含め、今後に期待したい。
ビジネスモデルは?
サービスのビジネスモデルとしてはどんなものがあるのだろう。そもそもコストの高いサービスではなさそうなので、最低限稼がなければいけないライン、というのはけっこう低いように思える。
その上で、ユーザーのプロフィールはしっかり手に入るので、ブロガーと企業のマッチングサービスで副業紹介、みたいなのは旨みがたっぷりありそうだ(iddyはこれを6月から提供するとしている)。
さらに、フィードをガンガン集めて貯められるので、プロフィールと合わせて「こういう人がこういう記事を書いて、こういう人に読まれている」みたいな記事データ+ユーザー属性のデータベースが集められ、有用なマーケティングデータになるんじゃないだろうか。「御社の製品を買っているユーザーはこういう層で、他にはこういう話題に食いつく傾向があります」みたいなのの濃いデータが得られそうだ。
これら「プロフィール2.0」サービスは、ヘビーなブログサービスそのものを運営することなく、人材とメタデータはしっかり手に入れる、おいしいとこ取りなサービスになるかもしれない。
余談:はてなSNS、はてなリング、リッチTwitter
こういうプロフィールページって、はてな内では「はてなSNS」、「はてなリング」と似た感じのものが作られたが、どっちもブレイクした感はない。
2005年5月の時点でこんな(↓)声もあった中でブレイクに至らなかったのは、提供側がそこまで作り込むほど魅力を感じていなかったからなのか、機が熟していなかったからなのか……。
はてなポータルを望む―はてなはmixiの機能を飲み込め!― (ARTIFACT@ハテナ系)
はてな内で完結している場合、上記の「ブログサービス運営は他社に任せて旨みだけ」的要素はないので、そのあたりで提供側の認識としてイマイチ感があったのだろうか。
Twitterはキャズムを越えられない、とか平凡すぎるタイトルを思いついたことに自己嫌悪記念
ここで書いたmixi→シンプルにTwitter→もっとリッチなTwitterへの揺り戻しというのは、アバウトミーが近そう。
- 2007.05.19
- [Web2.0(ウェブ2.0)]

小林祐一郎
