ファクトとオピニオン、実名と匿名  

ネットの実名匿名論について、ある程度整理できそうになったので書いておく。

まず用語の定義。

●ファクト : 第三者が検証可能な事実
●オピニオン : あることに対する考え・意見
 上記は何となく横文字を使ってみたかっただけ。

●匿名 : 自分の属性の全部、または議論に深く関わる一部の属性を隠した状態
●実名 : 全ての属性、または議論に深く関わる属性について明示した状態(※1)

※1について: ここでいう「実名」は、実名=リアル氏名を公開しているかどうかには、直接関係しないと考える。例えば学歴について論じるときに自分の学歴を公開しているか、少子化について論じるときに自分の子育てへの関わり(子どもの数、どのように子育てをしたか等)を公開しているか、といったように、議論に深く関わる属性について明示しており、そして、その属性が確かなものであると検証可能な状態であることを「実名」と考える。

検証可能な状態を作る方法は、様々なものが考えられる。単純にプロフィールとして書けば、とりあえず誰もが参照可能となる。例えばリアル氏名や所属等を公開していれば一定の手続きによって誰でも確認(裏とり)可能で、最も確実である。また、一定の属性を保って長期間活動し記録を残していくことで、既成事実としての信頼性が増す(それが架空のものである可能性が0にはならないとしても)、ということもある。


ファクトとオピニオン、実名と匿名の関係は次のように整理できる。

匿名・実名が発する情報の価値
 匿名実名
ファクト検証できれば価値あり検証できれば価値あり
オピニオン相対化できないので無価なし相対化できるので価値あり

匿名の論者が発するオピニオンは、実質的に無価値である。

その意見がどこから出て何に基づいているのか不明であるため「まあ、どっかからはこんな意見もあるかもしれないね」ぐらいの捉え方しかできない。情報リテラシーの低い人を惑わしたり、誹謗中傷の言葉として人を傷つける、といった機能はあるためゼロ価値ではないが、プラスの価値はない。

といったところが基本的な整理。


応用編として、
・実名に関わる問題
 ・ネットの怖さを知らない実名が雑な理論を展開してしまい蜂の巣になる問題
 ・実名を保障する属性の偽装と、ウソへの信頼の集め方
 ・それっぽい権威のある属性を持ってファクトを歪める問題。反証が難しい問題

・匿名に関わる問題
 ・匿名の立場からファクトだけを淡々と出し続けることの割に合わなさ
 ・所詮、人は信じたいものを信じてしまうし信じたいものしか信じないという問題
 ・だから「信じたいもの」を発信して煽る匿名が強すぎる問題
 ・ファクトのつもりでオピニオン(煽りや嫌味、中傷含む)が混じる問題
 ・そして匿名発言のリスクが低すぎる問題
 ・文脈や文体から個人を特定する技術

・オピニオン/ファクトに関わる問題
 ・「皆が○○と言っている」的理論のどこまでがファクトでどこからがオピニオンか

などなどもあるが、とりあえず保留。


さらに別の面として
・オピニオンを集めるサービスで、ユーザーの属性が見えないと意味がない
 ・一定クラスタが集まるとして、千とか万の単位ならそれなりに意味があるかな

というのもあるけど、また他の機会に。

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