2005年の大事件をネットワーク分析で片付ける
この年の瀬に切れる事案よりも2006年に持ち越されるものの方が多く、とても2005年を振り返るような気分ではないのだけど、ひとつ興味深い2005年振り返り記事があった。
姉歯、みずほ証券の誤発注、JR福知山、原因はみな同じ?(ITmedia エンタープライズ)
みずほ証券の(というか東証の?)誤発注、JR福知山線の脱線事故、姉歯(これも分かりやすい単語として使うのは姉歯氏がいささか気の毒な感じだが)耐震強度偽造問題などは、すべて同じ原因なんじゃねえの、という指摘。
極端な話をすれば、原始時代なら、1人の人間のミスが引き起こす被害は小さかった。例えば、「マンモスの急所を槍で狙ったつもりが失敗、逆に自分が襲われて命を落とした」といったケースを考えても、被害の範囲は自分か、自分の周辺くらいに留まる。
一方、ネットワークを介して高度に情報化された現代では、1人の人間が行ったワンクリックのミスが世界中に影響を及ぼす可能性がある。実際に、みずほ証券の事件では、あっという間に400億円という損害が発生してしまった。
この流れで進めていけば、これらの問題すべてはネットワーク分析の言葉でいうところの「カスケード(カスケード故障)」だ、ということになるだろう。高度にネットワーク化された世界では、ひとつの小さなトラブルが滝(カスケード)のように次々と大きなハブの故障を誘発して、驚くほど大規模な事故を起こしうる。
カスケード故障
カスケード故障
卒論用戯言置場 スモールワールド・ネットワーク
ネットワーク生態学(PDF)
カスケード故障の例として、1996年起きたアメリカ西部の停電事故が取り上げられている。一箇所の送電線が切れると、そこに掛かっていた負荷が他の送電施設に回り、そこも過負荷で破綻する。これが連鎖気的に起こることで、広範囲での大停電が起こってしまう。
2003年のニューヨークで起きた大停電も同じ。こちらの「2003 年 8 月 14 日 北米北東部停電事故に関する 調査報告書(PDF)」には、どのようにカスケード故障が起き、停電が広がっていったかが、詳しく記述されている(ただし、長いし難しい)。
カスケード故障は、スケールフリー・ネットワーク化した世界で最も恐ろしい事故なわけで、これの研究・対策を考えることが世界を救うことになるのかもしれない。Webを含めて。
ネットワーク分析の入門には、この本がいい。
NHK出版 (2002/12/26)
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さまざまに応用可能なネットワーク理論
牽強付会?
リンクされると変化が起こるあと、停電になったらこれか?
2005年の振り返りついでに、今年知ったおもしろブログ3つ。
「(1)職場の同僚に、『仕事やキャリアに役立ちそうなブログを3つだけ教えて欲しい』と頼まれました。 あなたはどのブログを薦めますか?」という問いに対し、キャリアを横に伸ばしたい人向けだけど、
FIFTH EDITION:ネットワーク分析を教えてくれた
真性引き篭もり:ハッとする気づきをいくつか与えてくれた
むと好まざるとにかかわらず:おもしろ考察系からお調子者への華麗なる転進。ノードからリンクへ
- 2005.12.28
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