「伊豆の踊り子」と萌えとツンデレ考
あんなものを作るために週末には「伊豆の踊り子」を何度も読み返したり(30ページちょっとの小品なのですぐ読める)、あちこちのリソースを漁ったりしていたのだけど、その中で見つけたものや考えたことをいくつか。
とても現代っ子らしい素直な感想
川端康成「伊豆の踊り子」の感想父に勧められて読んではみたが「結局、なにが言いたかったんだろう? と、ぶっちゃけ思った」。父にそのままを話したら、「今の時代は、出会ってすぐ肉体関係に至るから、この情緒が分からない」などと嘆かれた。
その後、自分の中であらすじをおさらいしてみると、とても良い話に思えてきた、とのこと。
「えー・・・・不遇な人生を歩み、心がすさんでいる若い学生の旅人が、旅の途中で、ある踊り子に出会い、一目ぼれし、その後をくっついて周り、いつしか、踊り子一行と、行動をともにすることになる。
いろいろあった後、やはりずうっと踊り子に、恋心を抱いていた青年だったが、おふろで自分をみつけ、まっぱだかで手を振る彼女を見て、いい娘(引用者注:お年頃の娘、という意味だと思う)だと思っていた踊り子が、てんで子供だったことに気づき。大人びた化粧に、すっかり勘違いしていた自分に苦笑いしたり。
その後も、やはり踊り子一行と行動をともにしていたけれど、ついには別れの時がきて、ふと寂しくて。だけど、踊り子たちと一緒に過ごしてきたことで、なんだか、心がスガスガしくなった。という、そんなお話。」
あら?あらあらあら?なんだかちょっといい話じゃない?最後のあらすじを周りに語り終え。あれあれ?じーんと来たぞ。ということで、やっぱり、「伊豆の踊り子」は名作だったのかも?と最終的には思い至った私でありました。
パロディを作ろうと思って読み込むほどに、「伊豆の踊り子」の優れた点がどんどん見えてきた。最初はこれくらいのとっかかりで、もう1回読んだら新たな発見がきっとあると思います。これもオリジナル「伊豆の踊り子」に興味を持つきっかけになったらいいなと思っていますがどうなんだか。
「萌え」としての「伊豆の踊り子」
萌え文学研究のおと 第壱回「伊豆の踊り子」
思えば、僕が中学生の時生まれて初めて「萌える」という感覚を覚えたのがまさにこの場面であった。薫(引用者注:「薫」は踊り子の名前)は僕の萌え人生の初恋の人といっても過言ではないかもしれない。裸で湯殿を飛び出してくる薫の姿に主人公「私」は心に清水を感じたかもしれないが、僕は萌えを感じた。
既に書いている人がいるだろうなあと思ったら、やっぱりいた。お前ら、宮崎駿がロリコンだとか、手塚がどうだしずかちゃん風呂入りすぎだとかエスパー魔美が(ry とか言ってる場合じゃないぞと! まず川端康成だろうと!
この「萌え文学研究のおと」の趣旨には、
要するに僕の言いたいことは漫画ゲーム映画も楽しいけど、それと同じ感覚で文学で笑ったり泣いたり萌えたりしてもいいじゃないか、文学でオナニーしたっていいじゃないかということです。
なんて書いてあったり、「さくらとちぃのテキストサイト論」とか、ストーカー小説「むちむち☆メモリアル」とか、この人はおかしすぎる(絶賛の言葉)。
超どうでもいいことだけど、「萌え」というのは一種の「報告」であって、自分の中に芽生えた感情を「表現」する、という工夫を放棄していると思う。一方で川端康成は「心に清水を感じ」だの「寝姿が私の胸を染めた」だの語彙を駆使した「表現」を行っており、川端康成って萌えですね的なことを言うのには、一流料理人が作った懐石料理に濃口醤油をぶっかけているような感じがある。とはいえ誰しも四六時中「表現」をこねくり回しているわけにはいかないし、上記「萌え文学のおと」のようなサイトはターゲットに響きやすい言葉として「萌え」を選んでいる、と理解しているけど。
同じく「萌え文学のおと」で紹介されている麦藁帽子に、とても興味がわいた。けど近所の本屋には売ってなかった。と思ったら、青空文庫にあった!
本の方が読みやすくていいのだけど、どの文庫に収録されているのかよく分からない。この全集には入っているけど、2,100円。
「マリみて」ファン向け川端作品
「萌える文学 ロリロリ篇-「マリア様がみてる」ファンに」 ニュースな本棚|Excite エキサイト : ブックス「マリア様がみてる」が好きなら川端康成の「乙女の港」という横浜のミッション系女子校を舞台にした小説を読めや、という紹介記事。「非モテの文化誌」といい、Exciteのアプローチは柔らかすぎる。
観光資源としての「伊豆の踊り子」が定着したのは、映画によるところが大きい
伊豆の踊り子(Shig & Sue Matsushita's Sweet Home)やっぱり小説なんて誰も読まない、映画が強いよね、という話(かなり強引なまとめ)。そして、映画の呼び物は踊り子が素っ裸になるシーン。つまり、伊豆の観光は少女の裸に支えられ......とエロ話がしたいわけではない。川端康成が「心の清水を感じ」と表現したような、驚きと、踊り子の無垢性に感じるやすらぎというか、いわば「癒し」のような効果があったのだろうと思う。
レンタルで「伊豆の踊り子」を見かけたら借りたいのだけど、見かけたことがない。Amazonで売ってるDVDはちと高い。
それにしても、6回も映画化されているなんて知らなかった。今なら誰かなあと、ちょっと考えてみたけど、石原さとみなんかイイ(・∀・)!! クリームかけられたいですな(こっちも)!
※追記 クリームかけてんのは岩田さゆりじゃん! ダメな間違いすぎる。
自分はツンデレをてんで理解できていないと思った
女はツンデレなのよ、気をつけなさい(わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる) ツンデレを嫁にするとどうなるか?(わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる)ここを読むとうちの嫁はツンデレでもツンツンでもないと思えるので、私はツンデレを学ぶ機会を逸していると思った。
女性がツンデレでないカップルは、もしかしたらバカップルと呼ぶんじゃないかとも思った。
ツンデレ変換が楽しすぎる
ツンデレ三国志 89 :無名武将@お腹せっぷく :2005/10/25(火) 14:17:10曹操がツンデレなのは簡単に想像できるけど、関羽がツンデレとは! ツンデレ化するキャラクター選びの意外性がこの遊びのカギか。
曹操「おおっ、そなたが降ってくれて嬉しく思うぞ」
関羽「べ、別に貴方に降ったわけじゃないんだから、漢に降っただけなんだからね」
曹操「褒美をとらす」
関羽「このあたしを物で釣る気なの!」
曹操「では侍女も合わせてとらす」
関羽「い、一応受け取っておくわ、でも勘違いしないでよね。
奥方様達に贈るんだからね」
曹操「うむむ、そなたの心を掴むのは難しそうだな」
関羽「そうよ、安っぽくないんだから!」
曹操「ふむ、ならばその至誠に対して秘蔵の品を贈ろう」
関羽「えっ、な、何よ」
曹操「赤兎馬。そなたも存じ上げている呂布の愛馬」
関羽「う、嘘?」
曹操「ほう、嬉しそうだな?」
関羽「か、勘違いしないでよね、貴方の好意が嬉しいんじゃなくて
直ぐに劉備様の元に駆けつけられるのが嬉しいんだからね」
曹操「......」
関羽「何よ、その疑いのまなざしは!本当の本当なんだからっ!!」
赤壁編が楽しみ。
- 2005.10.31
- [雑記]


山口百恵の「伊豆の踊り子」。4,800円









