悪の(?)口コミ「ステルスマーケティング」に気をつけろ!  

口コミマーケティング、バズマーケティングといった用語に関連して、「ステルスマーケティング」という言葉もあるらしい。 「口コミ」マーケティングは悪か?消費者団体、FTCにバズマーケティングの調査を要請(CNET Japan) アメリカの消費者団体が、宣伝の目的やスポンサーを明らかに...

口コミマーケティング、バズマーケティングといった用語に関連して、「ステルスマーケティング」という言葉もあるらしい。

「口コミ」マーケティングは悪か?消費者団体、FTCにバズマーケティングの調査を要請(CNET Japan)

アメリカの消費者団体が、宣伝の目的やスポンサーを明らかにしないままバズを起こそうとするマーケティング行為に対し、偽装広告を取り締まる法律に違反しているんじゃないかということで、アメリカ連邦取引委員会(FTC)に調査を依頼したという。

「いくつかの企業が、製品の宣伝とは無関係を装ったバズマーケターを使い、大規模な詐欺まがいの宣伝行為を消費者に対して行っているという証拠がある」とRuskinは書簡の中で述べている。

消費者団体「Commercial Alert」の代表であるRuskin氏の問題意識は、「サクラがサクラであることを明かしていないこと」にある。

インタビューでRuskinは、「問題は、サクラがサクラであることを明かしていないことだ。サクラが、自分がサクラであることを明かしさえすれば、法律違反にならないはずだ」と述べた。

つまり、サクラが中立の第三者を装って口コミの発信・伝播を図る行為を、「ステルスマーケティング」と呼ぶようだ。

アメリカの口コミマーケティング協会(WOMMA)の高経営責任者Andy Sernovitz氏も、ステルスマーケティングは悪だとしている。一方で、その他の口コミマーケティングの擁護もしている。

「バズマーケティングという言葉は現在、一切合財を含む包括的な用語として使われている。多くの人がすべての電子メールをスパムと呼ぶのと同じことだ。人々は言葉に注意を払わず、用語が混乱して使われると、その誤解を解くのがとても難しくなる」

というコメントを載せた記事に上記のようなタイトルをつけたCNET Japan編集部は何を考えているのやら。

そして、

実際、WOMMAは会員に対し「宣伝の依頼主を明確にする」「人に自分が信じていることだけを言わせる」「自分の正体についてウソをつかない」という3つの方針を指示しているという。

とても正しい。理想論だなあ、というかそれを守らせ、監視することは無理だとも思うけど。


最近のステルスマーケティング(疑惑)事例


最近のステルスマーケティング疑惑事件には、こんなものがあった。

『テレビゲーム解釈論序説』の感想を書くとつくコメント群がすごい(ARTIFACT@ハテナ系)

「テレビゲーム解釈論序説」という本をブログで取り上げると、妙にブログの書き手を褒めたり、その本を褒めたりする気持ち悪いコメントがつく。これは著者本人(またはごく近い人物)では? という話。ここのコメント欄にも問題のコメンテーターが登場したり、文章の共通するクセやIPアドレスが共通であることなどが暴露されたりと、野次馬的にかなりエキサイティングな展開になった後、問題のコメンテーターは消えた。

個人的には、本人だったとしても追求されたところで開き直ってしまえば良かったのに、と思ったのだけど、当事者の心情はそこまでフレキシブルに切り替えられないものなのだろうなあ、とも思った。

これに関連して「所詮口コミマーケティングなんて胡散臭いもんだよな」といった感想を何箇所かで目にしたのだが、全米口コミ協会のトップの言葉を借りて、口コミマーケティングを擁護したい気持ちだ。本物の(実体のある消費者からの)口コミを使ってマーケティング活動をしている、真っ当な業者もいる。


ステルスマーケティングは確実に行われている


しかし実際問題として、よく作りこまれたステルスマーケティングと真っ当な口コミを見分けるのは難しい。

口コミマーケティングを考えるマーケッターにも、真っ当な(実体のある消費者からの声を拾っての)口コミマーケティングだけを行っている人と、(実体のないところからの声を創作して広める)ステルスマーケティングもひとつの戦略と考えている人の両方がいる。今日、私たちの周りでもステルスマーケティングは確実に行われているし、国内の本職のマーケッターの間でも「一切合財をひっくるめてバズマーケティングと呼んでいるのが」現実だといえる。

理想としては、まずはマーケッターが自身を律すべき、と思うけども、ステルスマーケティングは戦略のひとつ、と考える業者は確実にいるだろうし、最後まで騙しきってくれるなら、それもいいんじゃないの、と個人的には思う。並の演技力・創造力では、前述の事例のようにステルスマーケティングは成功しないと思うが、地味にじわじわとやる分には目立たないし、誰にも追求されることなく、ユーザーの意識の中にもぐりこめるかもしれない。

また、読者投稿のフリをして編集者がコメントを書いたり、有名人を使って「あの人もおすすめしています」というコメントを代理店が書いていたり、中立を装って特定企業向けに世論を誘導しようとしたり、といったことは、マスメディアがこれまでも普通にやっていたことだし、きっとこれからもなくならないだろう。

問題は、ネットは従来のマスメディアよりも実体のない発言者としての活動がやりやすく、刺激的な発言が広がりやすいところか。ステルスマーケティングに釣られないために重要なのは、まずは受信側の口コミ情報フィルタリング能力向上と自己防衛。そして、もしかしたら業界の規制があるのかなあとか、ありきたりな結論でとりあえず締めておく。

フィルタリング能力向上のための具体的な方法としては、こんなことが挙げられると思う。

・信頼できる発信者を探しておく。継続的に活動している人、価値観がよく分かり、発言の意図まで想像できるような人を探す

・たくさんの口コミ情報を集め、総合的に判断する。1箇所の掲示板でむやみに盛り上がっていても、ノマノマ言ってるのはそのへんの一派だけ、ということもありうる