ブログ、SNSの2005年をチラリと展望する
○ビジネスモデルから見る、ブログホスティング各社の未来
2004年には、多数の事業者によるブログホスティングが立ち上がった。その中でもビジネスとして最も安定していそうに思われるのは、ココログ、ブログ人など「ISPがユーザー向けサービスのひとつとして提供」というパターンである。このパターンのASPは、今後も安定して使い続けることができるだろう。対してよく分からないのが、ライブドア、JUGEM、ヤプログなど、言葉を選ばず言うならITゴロ風の方々がノリで立ち上げたようなサービスたちだ。ライブドアやgooなんかはポータルの規模感(全体のpv)を上げるのに役立っているようだが、JUGEMあたりはもはや瀕死のように見える。
無料ブログとはいえ企業にとってみればビジネス。ビジネスとして成立していないサービスは、ユーザーとしても安心して利用できない。SeeSaa、アメブロあたりはマーケティング実験のために立ち上げてみました、といった趣だが、今後とも現在のまま有り続けていられるのか、このあたりも何となく不安だ。
一般人が書く日記の横にキーワード広告を貼り付けただけでは、それほど大きな収入にはならない。2005年には明確なビジネスモデルが必要だ。それが「社長の道楽です」、「宣伝です」という割り切り方も、ひとつアリかもしれないが。明確なビジネスモデルは、そのままそのサービスの「ウリ」にも繋がるだろう。
○マーケティング型ブログホスティングの誕生
三越コミュニティサロンは、百貨店の三越が立ち上げたブログホスティングで、エンジンはDoblogのOEM。三越は今年新装オープンした日本橋新館にリアルな場としての「コミュニティサロン」を設けており、ネット上の展開として、このサービスを立ち上げたという。最終的に三越が狙うのは単なるブログホスティングではなくて、ここでユーザー同士のコミュニティが育ち、三越がそのための場、いろいろできる居心地のいい場所として認知され、最終的には商品が売れる、という流れだ。
三越コミュニティサロンの事例が示すのは、
1:マーケティングメディアとしてのコミュニティサービスの可能性
2:「ユーザー同士のコミュニティ」を育てるのは、いわゆる「ブログ」だけじゃムリ
という2つのことだ。
○いち早くリスクテイキングを決断できる企業がコミュニティで成功する
コミュニティサービスを持ってるとなんかイイ、ということはネットコミュニティにある程度関わっている人なら誰でも気づくことだと思うが、問題は、その意識をコミュニティをやらない偉い人にも持たせ、実際に開設できるかどうかだ。コミュニティをやるということには、どうしてもリスクが付きまとう。簡単な例では、マイナスな意見が書かれるリスクや、会員同士のトラブルに巻き込まれるリスクがある。これらをを考え、そのリスクを差し引いても大きなメリットを得られる、という自信を持たなければ意思決定ができない。コミュニティサービスの成功条件とリスクについては、また改めて詳しく書きたい。
三越はできた。松坂屋はそこまではやれていない。ANAはやっているがJALはやっていない。YAMAHAはやったがローランドにはない。
この差が、1年後、または5年後にどんな差になるかは、今はよく分からない。が、やっておいた方が確実にたくさんのファンと信頼を獲得できるであろう。
○SNS化するブログホスティング
いわゆる「ブログ」。簡単に記事が書けてコメントがあってトラックバックがあって、というだけでは、「ユーザー同士のコミュニティ」はそれほど大きくならない。ある程度大きくはできるが、もっと大きくする方法も発明されているのだから、それを無視する手はない。それは、いわゆるソーシャルネットワーキングサービス的な「お友達リスト」だ。お友達リストがあることで、通常1ページしか見ないユーザーが5ページも10ページも見るようになる。また、お友達がいることで自分も頻繁にアクセスするようになるし、お友達がいることでやめにくくもなる。個人的には「しがらみ機能」と呼んでいるが、お友達リストはおそらく、コミュニティへの定着性と参加意識を上げる魔法の機能なのだ。
三越はベースがDoblogなので「お友達リスト」を持っていないが、そのうち入れてくると思う。ANAフレンドパークやヤマハのプレイヤーズ王国には既についている。とりあえず見えている範囲では、ブログ(的なもの。mixi日記でもOK)+お友達リストが最強のコミュニティサービスの形だと思う。
○mixiの大逆転はあるのか?
現在、たいした収益モデルもなく赤字であるというmixi(広告を出したりはしているが)。だが、圧倒的なユーザー数、帰属意識の高さでは他の追従を許さない。例えばmixiと松坂屋とJALとローランドが手を組んだら、とんでもないことになり得る。このような動きが現時点でまったく無いとは思えないが、どうなっていくのやら。コミュニティでうまくやろうという企業は、ユーザーに信頼され、愛され、支持されるまっとうな商品・サービスを作り、提供していこうと考えるはずだ。従来のマスマーケティング型展開(端的に言って、しょぼい商品をパブリシティの力で売る商売)は、コミュニティマーケティングの時代には通用しない。すぐ正直な反応があるから、化けの皮は瞬時に剥がされてしまう。
コミュニティマーケティングに目覚めた企業とユーザーが手を組むことは、互いにとって幸せなことであり、mixiに企業ロゴが入ることがあったら、それは、そんな時代の始まりだろうと思う。
関連:
国内関係者が議論「これからのソーシャルネットワーキングとは」(INTERNET Watch)
ここにある「トランスSNS」は面白いが、利害の対立から成功しない気がする。成功するとすれば、SNS「日本国」ができたときか。という意味でいえば八代市の「ごろっとやっちろ」は、極めて興味深い事例だといえる。
- 2004.12.27
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