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SECIモデルに見るブログの活用法をえらい人に説明しよう  

ブログはナレッジマネジメントに使える、というのはよく言われていることなのですが、従来のMLなどと比べて、どれくらい役立ち度が高くなるのか? そして、組織のえらい人にブログツール利用を説得するにはどうすればいいのか? というのが最近の関心事です。

えらい人は別段MLに不満は感じておらず、ただ「ブログにしましょう」なんて言い出しても興味を示してくれそうにありません。とりあえず、最近よく目にする「SECIモデル」で説明できないだろうかと思い、ちょっと調べてみました。


SECI(セキ)モデル


北陸科学技術大学院大学・野中郁次郎教授のモデル概念。組織内で知識が創造されるためには、以下に挙げる「S、E、C、I」という4つの知識変換プロセスを繰り返す、とするもの。

暗黙知、形式知という2つの用語が登場する。

暗黙知:経験を通じて獲得した、いわば「体に刻まれた」知。そのままでは共有できない。長嶋茂雄の「グゥーッと構えてバァッといってガーーーンと打つんだ」みたいなものか

形式知:言葉などの、明確で共有可能な形に変換した知。あえて長嶋茂雄と対比するなら、野村克也のような理論派の解説


S:Socialization(共同化) 暗黙知→暗黙知
親子、先輩と高配、師匠と弟子といった関係の間で、言葉によらず体験によって知識を伝授し、獲得するプロセス。いわゆる「体で覚える」段階

 ↓

E:Externalization(表出化) 暗黙知→形式知
体で覚えた知識を、言葉であらわす。「レポートよろしく」な段階

 ↓

C:Combination(連結化) 形式知→形式知
形式知どうしを組み合わせて、新たな形式知を作る、「みんなのレポートを発表して、研究しようぜ」の段階

 ↓

I:Internalization(内面化)形式知→暗黙知
形式知をもとに実践・行動することによって、行動した各人の中に新たな暗黙知が蓄積される段階


新たな知識が想像されるためには、このSECIのプロセスを繰り返す。料理に例えればこんな感じか。

S:醤油ラーメンの作り方を覚える/味噌汁の作り方を覚える
E:醤油ラーメン、味噌汁のレシピを書く
C:両方のレシピを読んで、組み合わせたら味噌ラーメンになりそうだと気づく
I:味噌ラーメンを試作
S:味噌ラーメンの作り方を覚える
E:味噌ラーメンのレシピを書く/他の人がバター料理のレシピを公開
C:味噌バターラーメンを思いつく
I:味噌バターラーメンを試作


こう書いてみると、E、Cにブログが役立つだろう、ということが見えてきます。

ブログは備忘録的な意義もあり、これはまさにEの段階に最適です。とはいえ、MLや掲示板だって、Eのために使えないわけではありませんが。
備忘録として Blog を作成――66.2%【第3回:Blog に関する調査】(Japan.intetnet.com)


ブログがMLや掲示板といった既存のものより優れているのは、Cの段階です。形式知と形式知を組み合わせる、言い換えれば情報を編集するツールとして、ブログツールは掲示板やらMLよりも優れています。

MLや掲示板では基本的に時系列に沿って整列する、という程度の編集能力しかありませんが、ブログはアーカイブの作成機能やRSSによって、ちょっとしたエージェントとして利用することも可能です。

RSSの収集・分析によって全インターネット規模で「知」を組織化することもできますし、自分のブログの中だけでも、カテゴリ別アーカイブを見ていて「昔書いてたコレと昨日書いたコレって、組み合わせたら面白いじゃん!」などと、急に閃くこともあります。また、トラックバック先を次々とたどって、ある事象についてそれまでになかった考え方や、新しい視点を得ることもあります。


投稿時にはとくに再利用を意識せず、次々と書き込まれていったエントリーから、ある日新しい「知」が生まれる(可能性が高い)、というのが、ナレッジマネジメントツールとしてのブログの面白さなのではないでしょうか。「みんながぽいぽい書き込んだナレッジが貯まって、そこからひょこっと新しいナレッジが生まれる」と。ここは「知の核反応が起こりやすい」とでも言うべきでしょうか。

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  • 2004.06.28